機関投資家のように、大量の情報を素早く入手するのは不可能です。そんな土俵で勝負する必要はありません。
といって、受け身の姿勢で情報弱者になり、うっかり情報屋の思惑通りに行動してしまうことは避けなければなりません。
利益を取る側でなく、「上手な人のために価格を動かす側」に入ってしまうからです。
ただし、ストイックな姿勢を維持、つらい作業をずっと続ける・・・そんなことは非現実的です。
だから、なにかしらの突破口をつくるのです。
小さい穴を自分の手で少しだけ大きくする──これだけで十分です。
自信がつきますし、ちょっとした疑問を自らの手で解決する快感をエネルギーに、楽しい作業をしていく“新しい自分”を発見できます。限定的に行えば、楽しさを維持できます。
私がイメージする言葉をそのまま使ったので、「自分でつくり出す」という部分がピンとこないかもしれませんが、「自分で判断する」という当たり前のことを放棄しないでください、ということです。
もっとわかりやすくいえば、自分でできることまで他人任せにして「楽しみを捨てるな」ということです。
せっかく楽しいことがあるのに、それを捨ててしまうのが多くのオトナです。
「どれを買えばいいの?」
「いくらで買うの?」
「いくらまで上がるの?」
「どのシステムが儲かる?」
「勝率は何%なの?」
株式市場は、最低限のルールだけ守れば好きなように行動できる場です。他人に気をつかうこともなく、気分のまま自由に動き回ることができるのです。
もっと自由に妄想してください。
といっても、「実現可能な妄想」です。
その妄想を、自らの手で具体的な売り買いの方法に落とし込むのです。
コツさえつかめば、「どれを買えばいいの?」なんてコドモみたいな言葉とはサヨナラです。
ちなみに、林投資研究所では、中源線を使って自立の道を歩むための材料を整えています。「どれを買えばいいの?」という質問には「当てろということですか? 私が知りたい」と答えます。
多くのプロがホンネを言えば、そんな答えしかないのです。
しかし、一部のヘンな人を除けば、アマチュアをバカにするプロはいません。
自分で考えている人、自分で考えようとしている人を相手にしたとき、たとえその人の経験が浅くても、言っていることが筋ちがいでも、一緒に相場を考える「同志」として正面から向き合います。
自発的な姿勢をもつ人は例外なく、リスペクトすべき実践者、知恵を共有する仲間なのです。