しっかりしたトレード方法を組み立てて売買に臨んだとしても、現実の当たり外れから逃れることはできません。
「損小利大」という言葉の通り、見込み違いの負け回数を減らすのではなく、その際の損を抑えるしか手はないのです。
見込み違いのポジションに時間をかけず、マイナスの値幅を小さくする──おかしな言い方ですが「賢くヤラレる」のです。
必然的なヤラレを必要以上に嫌うと、落とし穴にハマる可能性を高めてしまいます。
勝率を上げる試みは、否定できません。
でも、むやみに勝率にこだわらず、「半分当たって半分外れる」という現実を素直に受けとめ、対応方法の質を高めるのが“トレードの王道”です。
真剣に予測しても、どうしたって当たったり外れたり……だから、損切りの判断も含めた「ポジション操作」のタイミングを考えるのが正しいと、頭では理解できます。
一方で、見込み違いで生じるネガティブな感情は、ボディーブローのようなダメージとなるので、やはり「避けたい」と強く願います。
そこで、ほとんどの投資家が行うのが、複数の判断基準を重ねて「当てよう」とすることです。
例えば「終値だけ」なんてシンプルなチャートを使う人は、ほとんどいません。
多くの投資家が、情報量の多いローソク足を好みます。
そのローソク足に、2本ほどの移動平均線を重ね、さらに・・・
こうして判断材料を増やしても予測の的中率は上がらず、逆に下がることもあるのですが、そもそも、「どの要素をどう調整したら、判断がどう変化するかわからない」複雑なものをつくり上げてしまいます。
少なくとも、プレーヤーとして欠かせない「行動のコントロール」に振り向けるエネルギーが不足してしまいます。これが最大の懸念です。
おカネのことだから真剣に考えるわけですが、「当てよう」という気持ちが強すぎて混乱する投資家が非常に多いと感じます。どうしても、「足し算」で精度を上げようとしてしまうのです。
―明日のブログにつづく―