映画の食事シーンは、登場人物の個性を解りやすく表現するにはうってつけです。


『タクシー・ドライバー』でアイリスが食べるグラニュー糖をまぶしたジャムトーストや、『マンハッタン』のベッドの中で食べるテイクアウトの中華などは、見た目や行動とは裏腹の、趣向の幼さを表現していました。



13歳のアイリスとトラヴィス、40歳の放送作家と17歳の高校生カップル。

今では設定すらアウトですが。


まぁモラル的な事はさておき、映画『マンハッタン』に出てくる中華のテイクアウトについてですが、海外ドラマでもよく見かけます。



映画を通して見てきたニューヨークにずっと憧れていた少年時代でしたが、この作品については、物語や街の雰囲気より箱の中身が気になって仕方なかったなぁ。

あの箱の中には何が入っているんだろう。

焼きそばっぽいけれど、凄く美味しそう。

と思った記憶があります。


今ではアマゾンでも箱だけ買えるけれど、輪ゴム付きラップを被せた中華の出前ではなく、持ち帰り専用中華は当時の僕には斬新でした。


他には『サイドウェイ』の主人公の行動も印象深い。

ワイン通のマイルスが別れた妻が再婚すると知って、大切に寝かせていた超高級ワインを大衆食堂に隠し持って行きガブ飲みするシーンです。



ネットで調べてみると、寝かしていたワインである1961年のシャトー・シュヴァルブランって70万はするんですね。




損得勘定を含む怒りではないから、この真っ直ぐな感情爆発には、切ないけれど笑える。

本気のやけ酒ってこうでなくっちゃ。

こちらも、別の意味で斬新でした。