あー!旅行したい。
山中湖畔でソロキャンプして、帰りに吉田うどん食べて…
というわけで[イントゥ・ザ・ワイルド]について。
昨夜10年ぶりに観た感想としては、新たな発見も多かった。
この作品は、圧殺されそうな現実に疲れた主人公が、誰も踏み入れて来ないアラスカの大地で自分の存在理由を知覚しようとするロードムービー。
大自然の皮肉な恩寵により、悲劇的な最期で終幕する実話なのだが、演出についてはショーン・ペンのストイックな製作態度が発揮されており、無謀さや衝動的な行動を”若さ”として表現せず、万象の真理を淡々と可視化、映像化し、全ての世代に訴えようしている様に感じる。
実話を基にしたロードムービーだと、[モーターサイクルダイアリー]や[奇跡の2000マイル]などは、苛酷な環境へ身を投じる主人公が、旅を通して人間的な豊かさを獲得するものが終点となっている。
しかし、絶望的なエンディングの今作品は、近年では異彩を放っている様に思う。
僕は、この類の映画を観了すると必ず湧き起ってくる感情がある。
遥か遠くで輝く人には抱かない感情。
自分自身が実現可能と思える事を簡単にやってしまう人に抱く感情。
嫉妬だ。
また、この嫉妬の後に必ず訪れる感情もある。
様々な思いが絡まり、自尊心が破壊されてしまう嘆きの様な感情だ。
そして、この二つは必ず対でやってくるのだが、慣れてくると次第に自分自身を誤魔化す手段が身についてくる。
これが自己欺瞞というものなのだろう。
Happiness only real when shared
この映画のラストに出てくる言葉なのだが、一人穏やかに暮らしているつもりだけれど、フッとそう思う時もあるから厄介です。
初見当時に嫉妬している暇があったなら、旅に出て本当の強さを身に付けておけば良かったかなぁ。