新年明けましておめでとうございます。


今回の年末年始ですが、大晦日午前中に全ての用事を済ませ、午後から元旦の朝方まで、映画観たり読書したりして、年越しを愉しみました。


読書については、最近フォローさせて頂いた方の[西瓜糖の日々]に関する投稿に刺激され、短編集の[芝生の復讐]と、ガルシア=マルケスの[予告された殺人の記録]、吉本隆明の[重層的な非決定]をまったり読んでいました。




ブローティガン、バロウズ、ケルアック、コーソなど、ビート・ジェネレーションの小説が好きなのですが、実はケルアックの[路上]以外は人に薦めた事がない。

理由は、これらの作家の作品は、小説に意味を求める人には向かないし、好き嫌いがハッキリすると思うからです。

主観ですが、ブローティガンは特に説明が難しい作家だと思う。


また、吉本隆明も人に薦めるには難しい作家だ。

吉本隆明は60年安保の頃、ゲバ棒持った若者達の心の支えとなった[共同幻想論]を書いた思想家だが、この本に関しては、舌鋒鋭い左翼思想の作家が書いたものとは微塵も感じられない。

テーマも多岐に渡っていて、コムデギャルソンやRCサクセション、糸井重里やテレビゲームなどをテーマに、吉本さんのポリシーである『あらゆるモノから自由に思想する』批評は読んでいて楽しい。


この2作品に共通して言える事は、作者自身の抱える挫折感や疎外感を、寝ぼけた状態の自分に直接語りかけられる様な気になる。

そして読後に独特の浮遊感を感じるので、まったり読む、ただ読む、には適している。


今年はもう少し落ち着いて欲しい。

遠方の友人にもそろそろ会いたい。

そう言えば以前友人に、新宿ゴールデン街に『西瓜糖』というバーがあると聞いた事がある。

機会があれば、彼を誘って一度行ってみたいと思う。

コロナが落ち着いたら、の話だけれど。