DROP



しとしとと雨音が聞こえる。


今日はずっと雨が降っている。


まるで心の投影。



任務に出て、未だ帰らない彼を思っている自分のように空が泣く。

「ご武運を・・・」

何度口にしただろう。

カカシの強さは知っている。

そして、その強さ故に険しい任務が与えられる。

それが定めだと知っている。

しかし、落ち着いてはいられない。

カカシは今なにをしているだろう。

カカシは無事だろうか。

いや、何かあれば里に連絡が入るはずで、連絡が無いということは無事の証拠なのだ。

しかし、落ち着いてはいられない。

じっとしては居られない。

「・・・止まないなぁ。」

雨が。

カカシがいないだけで、空も心も晴れない。

でも、何も出来ない。

何も出来ない。待ってることしか出来ない。

「・・・ご武運を」

また口にした。

祈らずには居られない。

見上げる空は、同じだろうか。


どんより暗い色した空から落ちる、落ちる、この透明な雫。


任務が終わって帰るまで、会えない彼を思っている自分のかわりに空が泣く。

「早く会いたいよ・・・」

何度口にしただろう。

イルカの弱さは知っている。

だけど、その弱さを見せない強さも知っている。

その強さで気丈に振舞っている。

だから、落ち着いてはいられない。

イルカは今、何をしているだろうか。

「早く会いたいよ・・・」

急く気持ちを抑えきれない。

滴る赤い雫を振り払う。

この腕に待とうのは、血なんかじゃなくて、イルカがいいのに。

浴びる返り血を、雨が流す。

「早く会いたい・・・」

それしか言えない人形のように。

求めずには居られない。

見上げる空は同じだろうか。



どんより暗い色した空から、落ちる、落ちる絶え間なく。

この雨が、まるで自分の心を投影したような空から降る。

あなたが見上げる空は同じだろうか。


泣けない君を思って、泣いているよ。