お雛様へのヘアカット(ネタバレ有り) | これ観た

これ観た

基本アマプラ、ネトフリから観た映画やドラマの感想。9割邦画。作品より役者寄り。なるべくネタバレ避。演者名は認識できる人のみ、制作側名は気になる時のみ記載。★は5段階評価。たまに書籍音楽役者舞台についても。

『お雛様へのヘアカット』(2022)

監督・脚本 溝口稔

 

小学生の頃、真田日向(田中理来=たなかりく幼少期:江口勢梧)は重い心臓病で休みがちな坂井菜月(村山優香/幼少期:みこと)に学校のプリントを届けに行っていた。届けに行くうちに一緒に勉強や宿題をする仲良しになり、日向にとってはそれが初恋になった。

ある日、流し雛に願いを書いて川に流すとその願いが叶うという話があると、日向は一緒に書こうと誘う。日向は夢の美容師になることを書き、菜月はお嫁さんになりたいと書く。日向が美容師になるなら最初のお客さんは私ねと約束もする。でもその前に、練習に前髪を切ってと頼む菜月。日向は初めてのことにとまどいながらも切ると大失敗。菜月は大泣きしてしまう。それからなんとなく会うのが気まずく、プリントに折り鶴をそえてポストに投函して帰る日々が続く。そうしてある時から菜月はいなくなってしまった。流し雛はどうしたろうか…。

大人になって日向は美容師免許を取り、今は見習いの身だ。そこへ偶然菜月がやってくる。再会に喜び懐かしみ会話がはずむ。主治医の先生の転勤に合わせて菜月一家も引越しをして、今回も同じ理由で戻って来たのだという。流し雛はそのまま忘れて流してないというし、最初のお客さんの約束もまだまだ時間がかかりそう。その後も菜月はずっと美容室に通って来てくれていた。一度は渋られたデートがようやく実現した頃、菜月は病状が芳しくなく、入院してしまった。日向は一日も早くカットできるようにならなくてはと頑張って許可が降りた日、菜月の訃報が届く。

日向は約束のカットを前髪に施す…。菜月の母親から受け取った形見、だいじなものが入った箱には折り鶴と日向が合言葉のように帰り際に鳴らしていた風鈴、そして流し雛があった。その女雛には「ひなたくんのおよめさんに…」と書かれてあった…。

 

流し雛を流さなかったのは思い出の方が大事だったからだろうけど、日向は美容師になったわけで、流し雛の効力の意味とは…? どうせなら美容師への夢は会話にまかせて菜月の病気がよくなるよう書けば整合性がついたのに。

少女漫画っぽいが、話自体はいい話だったのに、役者が主演はもちろん、子供~脇役まで下手で、誰も上手い人がいないという珍しいパターン。うまかったらもっと脚本が活きたのになと残念だった。芝居の演出指導も詰めが甘い。情感のはしょりが多く、見る側の脳内補填に任せすぎ。

 

★★