不妊治療ローン | SLE おひとりさまの高齢出産・育児 in ニューヨーク

不妊治療ローン

先週のWSJ(ウォールストリートジャーナル)のあった記事。

不妊治療専門の金融ローンの会社はこの不況下にあっても大盛況だそうだ。

医療機関やドクターともタイアップしていて、高額の不妊治療費のためにローンを組む人は後を絶たないそうだ。

例えば、利率7.99%で$5000を貸すなどのサービス。 

利子は高いところで22%だとか。 

これはクレジットカードの平均利率17%よりも高い。
 
そういうサービスを利用して子供を授かった人は ”この笑顔には値段はつけられないわ” という。

そうなローン会社の人が言うには、 

”子供をもつ計画時期にある人たちは、不景気とかは関係なくローンを組みたがる” そうだ。

彼らは不妊に苦しむ夫婦たちの弱みにつけこんでいる、という批判もある。

医者がその金融会社に投資して、自分の患者にサービスを利用させようとするんではないかと危惧する人もいる。
 
ある会社の2011年のローンの契約数は前年比で41%も増えたそうだ。
 
これらのローン業者は 医者には歩合や報酬を渡さないとは言っているが、

ローンは患者数を増やしますよとのセールスピッチを展開しているとのこと。
 
ある患者は医者を信頼していたので、そこの薦めるローンから$18700を利率12%で借り入れた。

患者のローンにかかわりたくない医者ももちろんいる。
 
クリニックによっては もしIVF(体外受精)が成功しなかった場合はお金を返還します

というプログラムもあるそうだ。

全額でないにしても、例えば6回のIVFパッケージ($24000)の全てが不成功なら、

70%返還します、とか。 その代わり、1回で成功したも全額支払うというシステム。


これだと、患者を診てからクリニックが得するケースか(すぐに妊娠可能)、

ローン業者が得する患者か(妊娠に時間がかかりそう)、

など見定められてしまう危険もあるそうだ。
 
これらのローンに関してはアメリカの不妊治療医学会は特に何のポリシーもないそうだ。

ローン業者の取り締まりはその形態に拠る。

銀行のローンだと州や政府の監視が入るが、

プライベートな投資家(医者も含む)によるローンは銀行などとは管轄が異なるらしい。

医者は自分たちの投資先などを明かす義務もない。



私はこれらのサービスはありがたいと思う。

病院のすすめるままでなく、よくリサーチしてから使ったほうがよさそうだ。