小学校3年生くらいだったかな?

団地に住んでいたころだ

 

遠足にいく朝。

通学路にある近くの焼却炉あたりを通ったら

「ニャーニャー」って

猫の声。

 

小さな三毛の生まれたばかりの子猫がいたの

 

だけど

のどがぱっくりと割れていて・・

あばら骨のようなのどの内部がくっきりと見えていた

 

それは、今となれば

おそらく、他の動物にのどをかまれたような感じで

のどをかまれて急所をやられた、という感じだった

 

子猫は、か細い声で・・ニャーニャーと泣き叫んでいて

それは

つぶらな瞳は訴えていた

私に「生きたいよ!助けて」って聞こえたの

 

私、本当にどうしたらいいか迷っていた

 

病院に連れていかなくちゃいけないっていう気持ちと

病院に連れて行ったこともなく(小3だし病院はどこ?で)

どうしよう、でも

今日は遠足はバスが待っているから学校に行かないといけない

どうしたらいいのか

 

ただただ、たたずんでいた記憶がある

 

 

すると

そこにサラリーマンだったと思う

コートを着たやさしそうなおじさんが来て

私に聞いてくれた

「どうしたの?」って

 

顔も覚えてないのだけど

背が高くてベージュのコートをきていたような

メガネかけていたかな?

お父さんくらいの人だったと思う

 

おじさんに泣きながら子猫をみせたの

ぱっくりと開いた猫の首

 

「・・・わかったよ、病院につれていくから安心して学校にいきなさい」

おじさんはやさしくそう言ってくれた

 

たぶん、おじさんも、もうだめだって思ったと思う

だけどおじさんは

子供(私)を傷つけまいと考えてくれたんだな

今も思うのです

そのやさしさに感謝です。