~第4章~






ロングホームルームの時ユイがとんでもないこと言った。




「せっかくだし席替えしませんかぁ?最近ずっとしてないし。」


 

その一言が後で美咲にとってとんでもない事になる。色んな意味で・・・。


 

もとはと言えば石黒の一言がすべての始まりだった。




「ロングホームルームっつってもやることね~んだよな~。なんかある奴居るかぁ~?」


 

するとユイが手を挙げて言った。




「それならぁ~せっかくだし席替えしませんかぁ?最近ずっとしてないし。」


 

すると、他の女子たちも大賛成したので(というか反対する者は居なかったので)席替えを急きょすることになった。皆で急いで紙に人数分の数字を書く。この紙を見ずに1枚づつ引いていき、黒板にかいてある引いた数字の席に座る。真琴が最初に引くことになった。皆の視線の中(と言うより主に女子)平然に真琴が引いた数字の席は真ん中の列の後ろだった。それを知った女子たちは隣になろうと狙っていた。美咲の席は窓から2列目の一番後ろの席だった。だが、左隣りの女子が影で囁いた。




「一番端っこだしさ~しかも前は菜花だし、隣りとか美咲なんだけどぉ~?最悪~」




「じゃあ、席、交換してよ。」


 

女子は急に話しかけてきた真琴に、少し悲鳴を上げて驚いた。真琴は女子から紙を取ると、自分のとを交換した。真琴は、何事もなっかたように席に着いた。クラスも静かに見ていたが、引いた席に座っていった。




「なんで、交換なんかしたの。」


 

真琴は美咲を見ずに当たり前のように答えた。




「あんな風に言う子の隣りなんて、嫌でしょう?」


 

美咲はそれ以上は言わなかった。何故なら嫌だったのか自分でも分からなかったからだ。取っ付きにくい美咲は昔からこんなことは日常茶飯事であったのだ。




「山桜さん、よろしくね。」


 

前の席から声が聞こえた。振り返ると男子バスケのエースである坂倉竜平だった。彼は誰とでも仲良く接する男子だ。




「よろしく。」




「あっさりだな~山桜さん。さすが雪の女王。」




「・・・『雪の女王』?」


 

美咲は真正面で竜平をいた。竜平はにっこりと笑っている。




「うん。山桜さん男子の間ではそう呼ばれているんだよ?顔は可愛いんだけど、人に冷たいから『雪の女王』」


 

自分がそう呼ばれているなんて思いもしなかった美咲は内心とても驚いていた。




「確かに美咲にはぴったりね。ねっ、神田くん。」




「うん。でも、案外山桜さんって人にはちゃんと接してるよ。」




「へぇ~、そんな事言った人、初めて見たわ~」


 

菜花が意外そうにいった。そんな会話から美咲はこの先面倒になりそうだと、思っていた。




                            




~続く~