※本の内容紹介あり、ネタバレご注意ください。
介護の明日を考える会(通称かいあす)は、介護にかかわる教材(本)を、いろんな職種みんなで決めて輪読し、感想を交流する勉強会です。
今回この教材9回目最終回。ミーティングはweb開催。参加 6名でした。介護職 1名、管理栄養士1名、鍼灸師1名、放射線技師1名、事務幹部1名、医師 1名。
ミーティングは、
伊藤 羊一「僕たちのチームのつくりかた」9回目。
教材は、2022年初版で、何度か繰り返し教材候補に上がりながら、介護と直接関係しないからと僅差で採用されてこなかったものです。介護においても他の現場においてもチームづくりは共通の課題だと今回遂に採用となりました。
著者は、1990年東大経済学部卒、日本興業銀行・プラス・ヤフーを経て、執筆時Zアカデミア学長・武蔵野大学アントレプレナーシップ学部長、とのことです。ソフトバンクグループ傘下のIT系持ち株会社でヤフー・LINEを保有するZホールディングスのリーダー養成コースが、Zアカデミアだそうです。アントレプレナーシップとは、「起業家精神」と訳されているが、もう少し広く、イノベーションを創発する精神や資質を包含しているようです。
本書は以下の各章からなっています。
序章 リーダーの最優先事項は「メンバー一人ひとりの強みを活かしきること」
1章 個々の強みを活かすチームの「フラットな場」
2章 指示よりも大切な「聴く」行為
3章 みんなが主体的に話す「会議」のつくりかた
4章 チームでゴールを決める
5章 組織を超えて集まる「ヨコの場」のつくりかた
6章 みんなで踏み出す
終章 あなたはどうする?
今回は、6章の後半から終章を読みました。
タイミングを外さない軌道修正に必要な俯瞰力。
6章は、みんなで踏み出すためのチーム運営が語られますが、時には、軌道修正が必要になります。リーダーの大事な仕事の一つに、そのタイミングを逃さないことがあり、そのために必要なのが、俯瞰力だとされます。
参加メンバー間でも俯瞰力について意見交換しました。興味深かったのは。栄養士さんの、厨房俯瞰です。なぜか日によって作業しながらの会話が多い日と少ない日があるのだそうです。一つはその日のメンバーの組み合わせ、他におそらく職場全体のムードの反映などがあるのでしょう。
ミーティングメンバーの中には職場や組織としての変化を求められている者が多く、変わるタイミングは今だと分かっていてもそれだけで変われるわけでもないなあ、などと胸のうちが聞こえてきそうでした。
現時点での仮置きの答えを常に準備する。
6章の最後に述べられたのは、リーダーは「今なり、自分なりの仮説を常に準備する」ということです。
チームのメンバーが急に休んでもすっと代われるという以外明らかな説明がないように思いましたが、何となく頷けました。先回りをして考えておくということが、俯瞰してみる、ということと不可分なことなんだろうと思いました。少し先のことに仮説を持とうとすると不十分でも判断のために必要な情報を注視しなければなりませんし、仮説を持つことで修正の必要性にも早く気付くことができるのだと思いました。
要するに3つ。スキルの問題でなくスタンスの問題。
ここまで9回に亘ってミーティングで読んできたのに、終章では、要するに3つだと要約されます。
①ヒエラルキーではなく、フラットであれ
②自分ではなく、メンバーを活かそう
③そのために話を聴こう
これらは、マインド、スタンスの問題であってスキルを身につけていく話ではない.Just Do it.とエールが送られます。
「早く行きたいなら1人で行け、遠くまで行きたいならみんなで行け」というアフリカの諺だと紹介されます。何人かは、このフレーズを知っているのですが、アフリカの諺だとは知らなかったとか、ネールインド元首相だと思っていた人、など色々でした。
人が変わるのを阻む「固定概念」に向き合う。
とはいえ、人はなかなか変われない、なぜか?。これまで築き上げてきた自己の「固定概念」の否定につながるからだとされます。ありがちな固定概念がいくつかとりあげられます。
①上司は部下より「えらい」という感覚
②部下は自分を活かすための存在である、という感覚
③部下に自分の考えを話す事が大事である。という感覚
参加メンバーの中にはほぼこの感覚に共感する者はありませんでした。
ただ、あるメンバーの発言にハッとなりました。「これだけ話し合って決めたのだから、そう簡単に変えられない」という固定概念に支配されてないだろうかと。それならば、もう少し話し合いの労力はそこそこに、やってみての振り返りをもっとまめに、もっとエネルギーを使うべきなんだろうな、と感じ合いました。
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「介護の明日を考える会(かいあす)」のミーティングで読んできた教材11冊目が終了しました。2022年の開始ですので年間3冊弱読んできたことになります。1人で読んでいるペースとしては遅々としたものですが、誰かと話をしながら考えながら読んできたという点で、1人読みとは全く違った得難い体験をさせてもらったという思いが強いです。
何よりもこの場のお陰で、ミーティングに参加してくれる介護職の方・他職種のメンバーを通してごく自然に他職種に対するリスペクトを保てることです。同じものを読んで、「そんな経験してるのか」「そんな風に見えているのか」といつも新しい学び・発見をもらってきたな、と感じます。メンバーに許してもらえるなら、将来退職してもずっと続けたいな、と改めて感じてます。
(医師K)(このシリーズ終わり)