久しぶりのブログ更新となってしまいました。
7月歌舞伎座も9月歌舞伎座もすごく良かったのに全然ブログに書けていません。

何年ぶりでしょうか、満席の歌舞伎座に行って参りましたキラキラ華やかで祝祭感があってワクワクします。

十三代目市川團十郎白猿襲名披露記念歌舞伎座特別公演

1.神歌 2. 顔寄せ手打式  3. 特別映像  4.勧進帳という内容でした。すごーく良かったです!!

  1.神歌

10人の錚々たる能楽師方々による、ものすごく重厚な歌でした。
市川團十郎白猿さんと市川新之助さんの門出を祝い、歌舞伎界の繁栄を祈る神聖な歌キラキラ
高音低音厚みがあって迫力があります。

とうとうたらりたらりらたらり
鳴るは滝の水
日は照るとも絶えずとうたり
常にとうたり
君の千歳をえんことを
神の千歳の昔より
千秋万歳
本日の御祈祷なり
喜びの舞なり

まるで言霊のようキラキラ
発せられる言葉、一言一言に神聖な力が込められ、それを聞くことで清められるような歌でした。祈祷、神事のようなでした。

能楽が歌舞伎座の舞台で演じられること自体すごいですよね。




  2. 顔寄せ手打式

初めて見ました!一生に一度見られるか見られないかの貴重な儀式です。

舞台上に並ぶ100人ぐらいの(数えていませんが)歌舞伎俳優の方々は圧巻です。みなさん、紋付袴正装姿。

これだけ歌舞伎界をあげて行われる襲名披露興行なのですね。團十郎白猿さんと、新之助さんに向けられる、歌舞伎界全体の期待を感じました。

何より、新之助さんのご挨拶の立派なこと拍手もはや子役ではない、一人前の役者の声でご挨拶され、一番の大きな拍手が起こりました拍手緋毛氈に手をついた指のつま先までピシッとして所作も立派です。

「先祖にあやかって新之助の名跡を相続する」という言葉には、そうかぁカンカンの体には、代々のご先祖様の血が流れているのだなぁと改めて感じました。

小さな体で大勢の大人に囲まれても物怖じせずに、本当に偉いです😭

普段、日常生活の慌ただしさに忙殺されてしまいますが、世界は広い!世界は楽しいことがたくさんあるなと感じ、これだけでも見る価値がありましたニコニコ






  3. 襲名記念特別映像

松竹作成による特別映像です。これもすごく良かったですラブ

團十郎白猿さんの幼少期の舞台映像では、外郎売が小さくてあどけなくて泣けてきますえーん

歌舞伎役者一人の人生ってものすごく大変ですよね。その後新之助、海老蔵となり演じる数々の舞台。

どの役をとっても抜群に見栄えが良くて、まるで錦絵から飛び出してきたみたいラブ作中人物が江戸時代から飛び出してきたみたいです。荒事、和事、女形、悪役と変幻自在に、ありとあらゆる役の魂になりきる姿。一役一役に命を掛け、精魂を込める姿は、やはり唯一無二の千両役者だなぁと感じましたラブ

カンカンの初お目見得も泣けますえーん
勸玄白狐で宙乗りしたときは、ちょうど麻央さんが亡くなった時だったなぁと思い出します。




「受け継がれる芸」
では、外郎売、実盛物語、大徳寺、助六、毛抜、勧進帳など、成田屋で受け継がれる芸の数々が映されました。

映像が進むごとに十一代目團十郎から、十二代目團十郎十三代目團十郎といつの間にか変わる凝った作りになっていて、あぁこうして血と芸は受け継がれるのだなぁと感じました。

助六は十一代目と十三代目がそっくり過ぎてざわめきが起こっていました爆笑

そして毛抜!
十一代目の毛粂寺弾正から十二代目の弾正、十三代目の弾正、そしてカンカンの弾正へ拍手

もう今から楽しみ過ぎてなりません!!同時代を生きられることに本当に感謝ラブラブ


最新の映像では、團十郎白猿さんは、貫禄が出ましたねぇ。そしてぼたんさんは、麻央さんにそっくりピンクハート

すごく手の込んだ良い映像でした拍手特別に作成してくれた松竹さん、ありがとうございました!




  4. 勧進帳

團十郎白猿さんの弁慶に、片岡仁左衛門さんの富樫、坂東玉三郎さんの義経と大変豪華な勧進帳ですキラキラ

四天王も中村鴈治郎さん、中村芝翫さん、片岡愛之助さん豪華です。

長唄は八挺八枚。
囃子方はみなさん烏帽子を被っていました。囃子がすごく重厚でした。

富樫の名乗りでは、仁左衛門さんはゆっくりと。

〽旅の衣は鈴懸の〜
から人寄せの合方で一気に静から動へ変わるところが大好きですルンルン
逃避行のハラハラドキドキ感があります。

玉三郎さんの義経の台詞もすごくゆっくりと。
團十郎さんの弁慶は重厚な声で、はやる四天王をどっしりと制します。

勧進帳の読み上げでは、ジリジリ寄る富樫!笠に手を掛ける義経!一触即発、三人の見得で大きな拍手が起こります拍手

玉三郎さんの義経は、上衣の肩の部分を高くして顔を隠しているのが工夫されているなぁと思いました照れ他の役者さんはこうしていなかったような気がします。

仁左衛門さんの富樫は山伏問答でも気品がありますね〜。早口でも知性と品格があります。襲い掛かるような感じや、打ち負かそうとするのではなく、弁慶に対する知的好奇心を感じましニコニコ

何を聞いても完璧な知識で答えてくる弁慶とは何者なのか?その弁慶を従える義経に対する知的好奇心。この二人のことをもっと知りたくてついつい夢中になって聞いてしまったという感じがしました。

そして何を聞いても完璧に答える弁慶に完敗し、「布施物を持て」と無念に言うときに覚悟を決めたのかなぁ。

團十郎白猿さんは問答も良い声でした。富樫と弁慶の押し合いでは、富樫も弁慶も形が美しいですキラキラ

富樫は「今は疑い晴れ申した」のところでも覚悟を感じました。

團十郎白猿さんの弁慶は、義経を命懸けで守るどっしりとした重厚さ、そして「判官御手」で義経の前に恐縮する忠義心、お酒飲むところのおおらかさなど、どれを取っても見ごたえがありますねニコニコ

延年の舞は、長唄も大好きですルンルン
神歌のめでたい一節も入っています。

万歳ましませ
鳴るは滝の水
日は照とも絶えずとうたり

最後、舞台中央で弁慶が義経の行く手を目で追う部分がすごく良いんですラブ愛を感じます。忠義愛飛び出すハート

暖かさ、人間味、良かったぁという神仏への感謝。男女の愛と違って忠義の愛って表すのが難しいと思いますが、團十郎さんのはすごく良いんです。一所懸命、命懸けだけど暖かい忠義の愛キラキラ

この忠義の愛が勧進帳の根底にありますね。

最後の迫力ある飛び六方、そしてそれを見守る後見の市川齊入さんの姿にもジーン来ました。

すごく、すごーよかったです!!

地下1階の木挽町広場では、襲名披露グッズが売られており、買い求める多くの人で賑わっていました。

これから続く襲名披露興行も楽しみでなりませんニコニコ