團菊祭五月大歌舞伎第二部を見てきましたニコニコ

久しぶりの歌舞伎にワクワクラブラブ

とっても楽しかったですキラキラ

 

新年度が始まりバタバタ慌ただしい日々に。まだ3月の舞台のブログが書き終わっていませんが、華やかな舞台に久しぶりの荒事。スカッと心がすっきりしました。


以下ではあらすじを交えつつ感想を書きたいと思いますニコニコ

 

 

 

歌舞伎十八番の内

 

2018年に見て以来の、市川海老蔵さんの生「暫」です。

やっぱり荒事好きだわ~ピンクハート最高です!!

悪人をきっぱり言いくるめて善人を助けるストーリー。見ていてスカッとスッキリします。

華やかな舞台面。祝祭感溢れる台詞の数々。楽屋落ちも含め、洒落て気の利いたツラネ。


荒唐無稽で面白く、人間離れした拵えに圧倒的な存在感。それを演じ切れる海老蔵さんの充実した精神力と体力。この質の高いお芝居を見られて幸せですニコニコラブラブ

 

今回は、運よく一列目の真ん中。海老蔵さんを真正面にみて、まさに「デカい!!」

総重量約60kgの重たい拵えに、高さ30cmの継ぎ足を履いて長袴で歩くなんて、想像しただけで気絶しそうです。やはりそれをこなせるのも荒事の本家、海老蔵さんの精神力と体力のなせる芸なのでしょうね拍手

 

 

幕開きは花道から市川福五郎さん、市川右田六さんら花奴が登場します。江戸歌舞伎の吉例で縁起の良い、目出度い渡り台詞が語られます。

 

豪快な大薩摩の演奏の後、書割が左右に開くと、そこは鎌倉鶴岡八幡宮の社頭。大勢の役者さんたちが豪華な衣装で居並ぶので、舞台面を見ているだけで華やかでハレの気分満載ですキラキラ

 

舞台中央の一段と高い場所にいるのが、悪人方のボス清原武衡です。やっぱりこのお役は、貫禄のある市川左團次さんですよね〜。左團次さんで観たかったので、とっても嬉しいですニコニコ


左團次さんの足元にあるのは、二つの奉納額。一つは大福帳でこれは加茂次郎(中村錦之助さん)が奉納したものです。もう一つは雷丸(いかずちまる)という刀(実は偽物)で、これは清原武衡が奉納しようとしています。

 

清原武衡は、先に飾ってあった大福帳を取り外して、自分の奉納額を飾ろうとして、加茂次郎と言い争いになります。

 

加茂次郎の一行は、大谷廣松さん、中村児太郎さん、市村家橘さん、市川齊入さん、市川男寅さんら。皆さん上品できらびやかな衣装で華やかですね。児太郎さんの桂の前は美しいお姫様。お付きの腰元は中村芝のぶさん、市川右若さん、坂東玉朗さん、市川福太郎さんらで華を添えます。

 

加茂次郎らは、清原武衡が自ら冠装束を付け天下の政治を握ろうとするとは朝廷への傲慢無礼であると、朝廷へ奏聞しようとします。

 

自分の言うとおりにならず怒った清原武衡は、加茂次郎一行を打ち首にせよと命令します。


絶体絶命の場面びっくりハッ

 

そこに揚幕から「し~ば~ら~く~」市川海老蔵さんの鎌倉権五郎の大音声がハッ


この声を聞いた赤ッ面の腹出しの台詞が面白いですね〜爆  笑腹出しは、市川男女蔵さん、市川右團次さん、市川九團次さん、中村吉之亟さん、片岡市蔵さんら。


首筋がゾクゾクすると言ったり、足の裏がムズムズすると言ったり、胸がドキドキすると言ったり、下っ腹がピンとすると言ったり可笑しいですニコニコ

 

揚幕から登場する海老蔵さんはデッカイ!!客席を見る目には人外の迫力がありますハッ何ヤツだと問われて名乗るツラネは、このお芝居の聞きどころですね。

 

(↑暫のポスターは歌舞伎座公式インターネットショップで3,000円で売っています)

 

成田屋ゆかり、海老蔵さん由来のめでたい言葉尽くしで縁起が良いですキラキラ

江戸に打ち続いたる歌舞伎の三百有余年、江戸随市川の本家本店(だな)、大日大聖成田不動の申し子、柿色の素襖に三升の紋、親父譲りの荒事、オリンピックより一年ぶりのこの拵え、などユーモアを交えためでたい尽くしのツラネで、聞き心地良いです拍手

 

清原武衡(左團次さん)は鎌倉権五郎(海老蔵さん)を引っ立ていと家来に言います。ここから、代わる代わる権五郎をやっつけようとしては、ことごとくやられてしまうのが面白いです。いかに権五郎が強力で規格外であるかがわかりますおねがい

 

まずは入道震斎(中村又五郎さん)。道化役が楽しいですね。威勢よく立ったのに「どうか立ってくださいませんか」「揚幕の方へ」と下手に出ます爆笑次は、照葉(片岡孝太郎さん)。「まぁ成田屋の海老様じゃありませんか」「これは松嶋屋の孝姉」って、わかっていても可笑しいやりとりニコニコ

 

そのあとは、清衡の四天王、市川新蔵さん、市川左升さん、中村吉三郎さん、尾上菊伸さんら。顔にも隈が入っていて悪人そうです。が、権五郎にまとめて「回向院に投げ込むぞ」と言われて引き下がります。

 

次は大勢の花奴の登場です。権五郎にぷぅ~と息を吹きかけられただけで、凧のように飛んでいくのが面白いです爆  笑

 

最後は赤ッ面の五人組。さすが荒事の見得も綺麗で型が決まりますねぇ。しかし、権五郎は動きません。

 

 

海老蔵さんが本舞台に来てからは、様式美のオンパレードキラキラ元禄見得はめっちゃ決まってカッコいい!!大太刀をもった見得もカッコいいです。江戸時代にできた型なのでしょうが、現代人が見てもカッコいいと思えるのがすごいなぁ照れ


何より60kgの衣装を着て、様式美を見せられるのが海老蔵さんのすごいところです。普通の人なら着て立っているだけで精一杯でしょうね。大きなお顔に筋隈もよく映えますキラキラ

 

権五郎によって清原武衡の悪事がひとつひとつ正されていきます。

まず、加茂次郎(中村錦之助さん)が紛失していた国守の印は、清原武衡らが盗んだものであること。そして、実は権五郎の従兄妹である照葉が取り戻したこと。

 

また、清原武衡が奉納した雷丸というのは偽物で、朝廷を呪う呪詛の刀であること。本物の雷丸は、加茂次郎の味方の小金丸行綱(片岡千之助さん)が持参します。加茂次郎は二つの御家の重宝が戻り目出度く万々歳です拍手

 

さらに清原武衡は朝廷に謀反の企てをしており、それをスパイだった照葉が聞いていたので、これが朝廷に露見すればまもなく清原武衡は捕らえられることなどです。

 

権五郎が白丁を相手にした荒事の立ち廻りもおおらかで豪快ですね~。最後、花道の引っ込みも勇壮です。あの60kgの衣装を着けて30cmの継ぎ足を履いて、長袴を履いて六方で引っ込むのですから!!「暫」でしか見られない悠然とした六方でした。

 

 

海老蔵さんの豪快さ、童のような純粋さ、豊かな声量、規格外の体力精神力、人間離れした圧倒的な存在感など、すべてを存分に楽しむことができましたニコニコ源氏物語では憂いのある色男を演じる方と同じ方とは思えないです。その芸域の広さもすごいなと改めて感じました。

 

やはりお家芸は洗練されていて一切無駄がなく、隙がなくて素晴らしいですね。今回、「吉例」という台詞がたくさんあり、吉例のめでたさ、決まり事を決まり通りできる歌舞伎の目出度さも感じましたラブラブ

 

第二部はこのあと「土蜘」でした。長くなってしまったので続きは改めて書きたいと思います。書けるかな?まずは3月に見た舞台のことを先に書きたいなニコニコ

 

七月大歌舞伎も発表されましたね!



こちらも今から楽しみですルンルン


(参考 : 河竹繁俊著『歌舞伎十八番集』)