先日、團菊祭五月大歌舞伎、夜の部を観てきました!
十二世市川團十郎五年祭。

 


4月は新年度、新学期と慌ただしく、約2か月ぶりの歌舞伎鑑賞となりました。
夜の部は、「弁天娘女男白波」、「菊畑」、「喜撰」の三演目です。

「弁天娘女男白波」
2016年1月に新橋演舞場で海老蔵さんの弁天小僧を観たのがずっと印象に残っています。花道から出てきただけでキラッキラのオーラ、屋根上での立ち廻りのスピード感と華麗さなど今でも覚えています。

今回は、弁天小僧菊之助が尾上菊五郎さん。浜松屋の場では、こんな高い声が出るのかーと驚きました。南郷力丸は市川左團次さん。弁天と南郷力丸をなだめて収める鳶頭が尾上松也さんなのですが、市川左團次さん、やはり圧倒的な貫禄をお持ちですね。



菊五郎さんの弁天小僧でいいなぁと思ったのは、本性を現す際の、のんびりした雰囲気かなー。周りに誰もいないかのようにのんび~りくつろぎ始める空気感が印象に残っています。

稲勢川勢揃の場では、前髪に白塗りの赤星十三郎役の尾上菊之助さんが清々しかったです。
極楽寺屋根上の場では、75歳の尾上菊五郎さんの立ち廻り、どうなるのかなぁと思っていました。全体的に立ち廻りのテンポはゆっくりなのですが、片足で立ったり、ぴょんと飛び降りたり、75歳であの動きをするのは相当大変なのではないかと思います。もちろん、立切腹も。

極楽寺山門の場では、日本駄右衛門の市川海老蔵さんの大きさと存在感が際立ちました!こういう役、はまり役ですね。

この演目は、今後いろいろな配役で見たいと思いました。海老蔵、菊之助、松録を中心にしたヤングチームの五人男も観たいです音譜

 



「鬼一法眼三略巻 菊畑」
幕が開くと、舞台に菊がたくさん植えられていて、遠目には紅葉もたくさんあり、とても美しい。

義太夫は、竹本葵太夫さんら。

智恵内の尾上松緑さんは、時々ちょこっと見せる笑顔がチャーミングですね。私は松緑さんの、耐える役や厳しい役ではなくて、明るく朗らかな役が好きです。松緑さんの魅力が伝わるので。

吉岡鬼一法眼の市川團蔵さんは、さすがの品格と威厳がありました。皆鶴姫の中村児太郎さんはとっても愛らしい。皆鶴姫のお供の虎蔵が中村時蔵さん。はじめ時蔵さんと児太郎さんの年齢ギャップに驚きましたが、虎蔵の正体は牛若丸(源義経)で、松録さんの主君というので納得できました。

笠原湛海の坂東亀蔵さんも、敵役としての恐さや強さがありました。

 



「六歌仙容彩 喜撰」
舞台正面には満開の桜に長唄、下手には清元連中が揃っての掛け合い、大変華やかです。やはり舞踊大好きです。

喜撰法師の尾上菊之助さんのおとぼけ坊主っぷりがぶっ飛んでましたね。足は内股で、肩の力は抜け、体はフニャフニャの蛸みたい。それでいて髭が生えて、大の女好きという世俗的なお坊さん。ほっぺを往復ツンツンされて遊ばれたりしています。

途中からは、大勢の所化が登場して豪華でした。中村歌昇さん、市村竹松さん、市川男寅さん、中村種之助さん、中村玉太郎さんら。みんな可愛い所化さんたちで、一斉に住吉踊りなどを披露してくれます。目がいくつあっても足りない。

喜撰法師は、最後は所化に迎えられて山に帰っていくというから面白い。どんな人なんでしょうか?

次は大本命の昼の部です。ずっと見たいと思っていたお芝居が見られるので楽しみです音譜