結構前から、私の娘が私の彼のことをstepdadと言うようになった。
彼のことをそう呼ぶのではなく(普段は名前で呼ぶ)、ほかの人に説明するときに「彼は私のstepdadだ。」と言う。
同じように彼の6歳と8歳の子供たちも私のことをstepmumだという。彼らは私のことを名前で呼ぶ。
でも私も彼も子供たちにそういう認識を植え付けたことがない。
結婚もまだしていないし(これにはいろいろと事情がある)
イギリスでは子供が大人を名前で呼ぶのが一般的。友達の両親を○○のdad、mumと呼ぶ子もいれば、ポール、レベッカなどファーストネームで呼ぶ子もいる。アメリカのドラマなんかに出てくるように近所の大人にMRやMRSなんて使う子供を見たことがないけど、いるのかな?
ちなみに学校の先生はMRやMiss○○と苗字で呼ばれている。
初めの頃は、エミリーとアンデイは私のことを「ダディの彼女」と言っていた。
そしてもっと時間を過ごすようになってからは「2番目のマミー」と言っていた
それが最終的には「stepmother」となった。
先日、エミリーが急に「世界でいちばん素晴らしいステップマザーは誰でしょう?」とみんなに食事中にクイズをだしてきた。
もちろん、「正解はMです!」と言う
かわいいなぁ。
ちなみに彼女が好きな人一位は、、、
マミー、ダディー、私の娘のターリア
二位は、、、
ナニー(彼の母親)、M(私)
三位は、、
アンディ(お兄ちゃん) 、アミリア(友達)
アンディは「なんで僕は3番目なんだよ~」とかなり不満な様子
これには私もビックリした
「僕の娘は、君が思っている以上に君のことが大好きだし、尊敬しているんだよ。」と彼は言う。
子供3人の中で実は一番下のエミリーが一番大変だった。
ちょっと前までは些細なことで怒りまくる泣きまくる、すぐに人を叩いたり蹴ったり噛みついたり、ともかく暴れた
私は叩かれたりした事がないが、私の彼と元妻さん、特にお兄ちゃんそして私の娘(2、3度程度だが)は経験済み。
よくいう2歳児のイヤイヤ期が更に酷くなった、暴力的な感じであった。それが5才の頃。
保育園には短期間だけ通ったことがあるが、学校には通った事がなく、他の子供と遊ぶ機会も非常に少ない彼女。これは元妻さんの方針のせいであり、彼女自身の選択ではない。
今は変わってきてはいるが、少し前までは元妻さんの言うことなら何でも信じてた。
元妻さんの言っている事は事実と異なると私や彼が優しく説明すると耳を両手で塞いでいた。そのくらい自分の母親以外の意見を受け入れようとしなかった
元妻さんがうっかり「あ~子供たちをおいて世界一周旅行をしたいな~。。。」みたいな発言をしたせいで(もともとバックパッカーで旅行が好き)、極端に精神が不安定になったこともあるエミリー。
その頃エミリーはストレスで便秘が1周間以上続くなんてこともあった。それが5ヶ月ほど続いた
そしてエミリーは体調不良からか、少しのことでものすごい癇癪を起こしたり、手をあげたりして大変だった
外に出ているときに彼女がこうなった時は大変だった。彼女がはしゃぎすぎてお店の中で転だり、デパートで自分の物を落として壊したりなど、些細なことでで彼女の怒りは爆発する
2~3才児なら周りの人もしょうがないよね~という感じに優しく見守ってくれるが、この年齢で暴れていると「この子どうしたの? 大丈夫?」みたいな視線が向けられる
セキュリティーの人呼ばれちゃうよ
私の娘は大人しいタイプであまり癇癪を起こしたりしない方だったので、彼女のイヤイヤ期なんか本当に覚えてないし対応も3回くらいしかしたことがない。
こんな私なのでエミリーが癇癪を起こしたときはどうすればいいか分からなかった
とりあえず周りのお客さんの邪魔にならない場所に移動させたり(これも暴れて大変だったけど)、彼が彼女を抱き上げて強制的にその場を離れた。
彼はその頃は「これがきっかけで君が僕と別れようと思ってもしょうがないと思ってる。君やターリアが大変な思いをしていることもわかってる。でも辛抱強く僕たちの側にいてくれてありがとう。これは時間がかかるけど、絶対解決してみせる。」と言っていた。
一方元妻さんは、自分の娘の様子(情緒不安定、慢性的な便秘)が自分の「子供をおいて旅したい」のようなうっかり発言からくるストレスだとは全く気づいていなかった。逆に「あなたがこうだからよ。」みたいにいつもの的外れな意見を彼にいってきた。
最終的に彼が元妻さんに、彼女が子供たちをおいて世界一周旅行などをする気は全くないと子供たちにきちんと説明するように促した。
その後、エミリーの様子は落ち着いてきている
だんだん分かってきたけど、彼女は自分の苛立ちや悲しいという表現がうまくできないのだ。
ターリアが他の子供と遊んでると寂しくなって急にターリアを引っ掻いて気を引こうとしたり、ボードゲームで負け始めると怒ってみんなに「ここから出ていけ!」とどなり散らしたり。
怒りや暴力的な行為でしか感情表現ができない。
ターリアの親友は、彼女より4才も年下のエミリーの暴れている姿をみて怖くなって、「エミリーがターリアのうちにいるときは遊びに来たくない。」とまで言い始めた。
これには私の彼もかなりショックを受けた
自分のかわいい娘って友達から嫌われて孤立するような子供なの?
確かに問題行為はあるけど、普段は優しくて明るい子だ。
と、色々な考えが彼の頭のなかをめぐったらしい。
それに追い討ちをかけるように私が、
「残念だけど一般的にみて、エミリーがアンディにしてることっていじめだからね。」と言ったことで彼と口論になったこともある。
きちんとした児童心理学者が親向けに書いた記事も見せた。
彼女が「やめて。」と言っているアンディに執拗につきまとうこと。
アンディは決して叩き返したり蹴り返したりしないので、暴力が一方的なこと。
彼女がイライラしている(例えば靴の紐を一人で結べなかった等)といったことが引き金で急にアンディを叩き始める。
こういった行為は典型的ないじめっ子の行為。
私が勝手に言っているのではなく、記事と照らし合わせて例をあげているだけ。
これには彼もガクッとしていた。
更になんの前触れもなくエミリーがターリアのお腹を意図的に数回蹴るという事件もあって彼と話し合った。
これにはさすがの私もキレた。
普段は、子供たちがレスリングごっこやチャンバラなどをして間違って叩いてしまったり蹴ったりする事には「だから気を付けないとって言ってるでしょ。」と私はいつもあっさりと対応する。そして解決は子供同士でしてもらう。
ターリアもアンディと同じく、叩き返したりできないタイプの子供だ。少しでも手をあげるようなクラスメートとは距離を置くし、完全に避けて遊ばない子供だ。
もー私は怒り爆発で、
「なんで学校でも叩かれたりした事がない子供が、自分の家のなかで理由もなく蹴られたりするわけ?で、あなたの元妻さんは、学校がどんなに悪いところだとか常日頃から子供たちに言ってるんだよ。行くといじめられるとか。それなのに自分の子供が他の子供をいじめたりしても平気なわけ?いじめっ子を作ってるのは学校じゃなくて親だからね。」
注意: 子供たちの前ではこういうことはいっておらず、彼と二人きりになったときだけ。
この時本当にステップファミリーって大変だと思った。
自分とパートナーの子育て感覚が似ていても、子供たちに大きな影響を与えている親が他にもいる。
私は私の子育ての方が優れていると言いたいのではなく、子供たちから貴重な社会経験を奪って、従来の教育を軽視して社会性を身に付けさせようとしない結果(全て元妻さんの独断)が子供たちに悪影響を与えていると言いたいのだ。
でも彼が何を言っても耳を傾けない元妻さん。法律上彼女がしていることには違法ではないので(これは本当にビックリだよね)、弁護士にいくらお金をつぎ込んでも何もできない。
こんな状況に私の怒りが爆発した。もちろん彼に怒りをぶつけてもしょうがないのだ。
彼だって父親としてやれることに限りがあることに苛立ちを感じているし、自分は無力だと思うこともある。
でも彼のすごいところは、そういった怒りに侵食されることなく目の前にある出来ることをする。子供たちと真摯に向き合う話し合う。
私からはエミリーには、
「あなたのママのうちではあまり問題とは思われてないかも知れないけど、私たちのうちでは理由がなんであれ、人を叩いたり蹴ったりする事は絶対だめな事なの。
私たちはあなたがカッとなったとき、人を叩いたりするのが習慣になっているのを知っているし悪いとわかりながらもすぐにやめられないことも知っている。
それでもやめなきゃいけないの。やめられなかったら、やめられるようになるまでターリアはここに泊まりにこない。人が普通に暴力をふるわれているような家はおかしい家なの。私はあなたが誰かに暴力をふるってもふるわれてもすごく悲しいの。
これからはイライラしてきたらまずは話してみて。私でもダディでもいいから。自分一人になりたかったら、みんなに出てけって叫ぶんじゃなくて、一人になりたいって言って部屋を出るの。周りの人に命令したりそういう風に人を扱ってはダメなの。その後で、気持ちが落ち着いたら、どうすればいいかみんなで考えようよ。家族なんだからね。」
と、罪を憎んで人を憎まず的な対応をしてみた。
このあとでエミリーは酷く反省したらしくごめんなさいと書いたカードを私とターリアにくれた。
涙を流している人もイラストにありこれが彼女なのかな?とも思った。
これはもう一年位前の事件。
最近は彼女の癇癪もなくなり、怒りよりも悲しみを表現することが多くなった。
ステップファミリーでは、相手の子供とどう接するのが一番かは、互いの相性や年齢などにより異なってくると思う。
私の場合は、彼らの人生が豊かで充実したものとなるように、成長を手伝う見守ってあげられる存在でありたいと思っている
最近はエミリーから彼にメールで、
「週末に私の家族(私たちの事)に会えるのが楽しみ」とメッセージがくる。
このまま問題があっても一緒に乗り越えて楽しい人生を歩めたらいいなと思う。