もう一枚、ロンドンのナショナルギャラリーで見れてよかったと思うのがこの作品です。これはゴッホが描いた自分の椅子です。
これはゴッホがアルルに引っ越してそこで短い間ではありましたが、ゴーギャンと共同生活をした時に使っていた椅子です。ゴッホは先輩画家でもあるゴーギャンが来るのを本当に心待ちにしていて、ゴーギャンに敬意を示していました。実際には色々と口論なども多くてなかなか良い関係はあまり続かなかったのです。ゴッホは同じ時にもう一枚椅子の絵を描いています。それはゴーギャンの椅子です。
これがゴーギャンの椅子ですが、これはナショナルギャラリーにないのでネットからこの絵を見つけて拝借してきました。上のゴッホの自分の椅子の上にはいつも自分が使っているパイプタバコが置かれています。
一方ゴーギャンの椅子の上にはキャンドルと本が置かれています。ゴーギャンは読書好きだったそうです。そしてゴーギャンの椅子には肘掛けがあります。ゴッホはゴーギャンに自分の椅子よりもいいものを用意したとされています。ゴッホのこの思いやりとても心に刺さります。
そしてこの椅子の絵に関してはもう少しストーリーがあります。この二人の共同生活は1ヶ月余りで終わってしまうのですが、ゴーギャンはタヒチに渡ってからもゴッホとの手紙のやり取りはしていたそうです。
そしてこちらの絵は、ゴーギャンが死を間際にした頃に描いた絵だそうです。タヒチの奥の島でゴッホのことを思い出して描いたのではないかと思うともう切ないです。そしてこのタヒチにある自分の椅子の上にはひまわりの花が飾られています。当時ひまわりはまだタヒチにはなくて、ゴーギャンはひまわりの種を持ち込んで自分で育てたということです。アルルでの生活、そしてそこでゴッホが自分を迎えるために描いてくれたひまわりの絵を思い出していたに違いないです。遠い土地からかつての仲間、友達を思ってこの絵を描いたと思うとたまらない気持ちになります。
下の2枚の絵はネットからなので実際の絵とは色も多分違っているのではないかと思います。やっぱり本物を見るに超えることはないから、せめて一番上のゴッホの自分の椅子の絵を生で見ることができたことにわたしはとても感動しました。もう一度行ってもっとゆっくり眺めていたいほどです。



