この科学小説は、私、ひーろまっつんこと松尾浩一が、熱力学的エントロピーという、20世紀最大の謎と言われた一つの疑問に対して、果敢に取り組んだその成果として約12年の歳月を要して、ようやく完成させた論文”熱力学的エントロピーとは何か?という問いに関する結論(超伝導へのアプローチからわかったこと。)”の完成までの道のりを描いている。また、経済学的エントロピーの定義式を自ら定義し、その理論に沿って考えると、今の日銀の金融政策は間違っているということに対しても言及している、ひーろまっつんこと松尾浩一が贈る超大作科学小説である。この非常に難解なエントロピーの概念を簡単にわかるように説明することを可能にした、この作品を、ぜひ読んでみて欲しい。


 そして、今回、新版としてこの作品を発表するに至ったのは、熱力学的エントロピーの私の論文において、新たな発見があり、それを書き足したためである。また、§4については、大幅な改訂を加えてあるので、その点に留意されたい。(最終改訂2020/12/11pm11:53)
 
 そのうち、最も重要な、論文の部分を以下に記す。

「まず、エントロピーが負の値をとる場合、つまり、物質の正の内部エントロピーが、系の周囲から内部に対して仕事をする場合と、系の内部から周囲に対してエネルギーの放出をする場合については、熱力学の約束事で、負と定められているのであるから、これは、何らかの力が、系の外部から内部に対して掛かる場合 と、系の周囲への熱エネルギーの形での放出であると考えられ、このときの何らかの力とは、磁力を意味しているのではないかと思われる。

 このことを裏付ける証拠が、電流が電線を流れると、必ず、磁界による磁力が発生し、同時に熱を放出するということに他ならないと私は考える。 
 
 つまり、電流が電線を流れる時、必ず発生する磁界による磁力と熱について、その原理が、負のエントロピーについて論ずることにより、説明ができるようになるわけである。

 そして、エントロピーがマイナスの場合の磁力は、その要素自体がマイナスの要素となるために、必ず、その場合の磁力は吸引力が働くことになる。

 つまり、マイナスのエントロピーが表す磁力は、必ず、吸引力になるのである。

 それはつまり、マイナスのエントロピーが表しているのは、磁力による吸引力が働くことによる系の外部から系の内部への仕事と、系の外部への熱エネルギーの放出を表しているのであると考えることができる。

 その事実が、熱力学的エントロピーにおけるマイナスを表す場合についての約束事と見事に一致しているのである。

 つまり、電線に電流を流すと必ず磁界が発生し、同時に熱を放出する現象は、マイナスの熱力学的エントロピーそのものがもたらす現象であると言えよう。

 

 それでは、ここで、何故、電線を電流が流れる時、必ず磁界が発生し、その磁界は吸引力をもたらし、同時に熱を放出するのであろうかを説明したい。
 
 その理由は、電流が流れる時には、電子と正孔が交互に現れなければ、電流は流れない。

 つまり、その際は、マイナスとプラスの電荷が交互に現れることになるのである。

 そして、そのマイナスとプラスの電荷により、異符号同士では、吸引力が働くため、電流が流れる際に発生する磁界は、必ず、吸引力をもたらすのである。

 そして、電子が流れる際にも、抵抗が存在するため、その際の摩擦抵抗により、磁界と熱を発生すると考えられるのである。
 

 つまり、電子が摩擦するときに、磁力というエネルギーと熱が同時に生まれるのだと考えることができるのである。  

 それはつまり、電子は、もともとエネルギーを持っている粒子であるため、そのエネルギーが電子の摩擦によって、発現したのが磁力の正体であると言えるであろう。

 そして、摩擦は同時に熱も発生させうる。

 つまり、その現象そのものが、マイナスのエントロピーそのものを表していることから、電線を電流が流れる際に、必ず磁界による吸引力が発生し、同時に熱を発生する現象は、マイナスの熱力学的エントロピーの正体そのものであると、私は、結論づけるに至ったのである。 

 そしてまた、マイナスの熱力学的エントロピーは、物理的反応のみで起こりうる現象を表している。つまり、化学的反応では、マイナスの熱力学的エントロピーは、起こり得ないのである。

 そのため、化学的反応における熱力学的エントロピーでは、マイナスのエントロピーは、起こり得ない状態を表していたということになる。

 しかし、物理的反応における熱力学的エントロピーにおいては、電流が電線を流れる時、必ず磁界が生じ、磁力による吸引力を生み出し、それと同時に熱を発生する現象として、マイナスの熱力学的エントロピーが、実際に起こりうることが証明されたことになる。

 つまり、熱力学的エントロピーは、決して概念などではなく、実在する状態量であることも、この事実から証明されたことになるのだ。」


  筆者より。