真山青果 作
元禄忠臣蔵の内の一話です。

討ち入り後、浪士たちは内匠頭が眠る泉岳寺に集まっていましたが、吉田忠左衛門(市蔵さん)と富森助右衛門(亀寿さん)の二人が、仙石伯耆守の屋敷に立ち寄ります。
伯耆守(梅玉さん)は、吉良上野介を討ったとの知らせを受け取り嬉しそうです。
本懐を遂げた赤穂浪士たちに好意的なのは、当時の大勢だったのでしょうか?
伯耆守は、浪士に対し、早速質問攻め。
上使を受けて聴き取りが、大石内蔵助他、46名を集めて行われます。

大石内蔵助は仁左衛門さんです。

事情聴取。その時は、どのような気持ちであったのか、尋ねる様子は、まるでワイドショーのインタビューのようにも感じるのですが、答える内蔵助のなんと誠実なことかと感心します。
内蔵助は、主の内匠頭の無念を晴らしたい一心だったということがよく伝わってきました。
内匠頭の仕業は短慮であったと言われているけれども、家を捨て、身を捨て、家中を捨てても成し遂げたかったこと。
鎌倉の昔から、喧嘩両成敗と言われているのに、吉良上野介に何の沙汰も無いのは無念である。主の無念を晴らすために、2年間、時を待っていた。
我々は徒党を組んだのではない。
志を同じくして自然に集まったのである。
ということを、切々と訴える内蔵助の心の表現が素晴らしく響きました。
真山青果の台詞劇ならではの、白熱した場面でした。
自分を大将として誇張した表現をすることなく、浪士一人一人に対する思いやりも感じられました。仁左衛門さんの台詞から、内蔵助はやはり人格者であったのだと感じました。
内蔵助が咳をして、話が続けられなくなり、代わりに浪士たちが答えるところで、各々が志を一つにしていた様子がよく伝わってきます。


仙石屋敷は、あまりかかることのない演目です。仁左衛門さんの内蔵助の台詞を、もっと聴いておきたいと思ったので、翌日の昼の部終演後、幕見に並んでもう1回拝見しました。立ち見でしたが、台詞劇をしっかりと味わわせていただきました。
46名の浪士が出演されている舞台は、最上階から見ると壮観でした。
全体を見ながら、聴くことに集中したい演目です。

素晴らしい舞台をありがとうございました。


{D4ED07B9-4601-4AE4-8A0F-7FE07E075E93:01}

{E6AF2A7E-9F5E-4548-9F32-434515E1A516:01}