三島由紀夫 作 「近代能楽集『卒塔婆小町』『熊野』」より

@ 世田谷パブリックシアター

作・演出 マキノノゾミ
企画・監修 野村萬斎


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劇場でもらったチラシで、興味を持ったので、行ってきました。
歌舞伎の演目にも、繋がっていそうですし

三島由紀夫の「近代能楽集」は、能楽を現代化したもので、戯曲の形になっています。昭和31年に発表されたようです。

邯鄲、綾の鼓、卒塔婆小町、葵の上、班女、道成寺、熊野、弱法師の8編が収められています。
短編集なので、卒塔婆小町と熊野の2編は往きの電車で予習できました。
私にしては、珍しい


舞台は、いきなり大音量の音楽から始まりました。こういうのは苦手ゲッソリ
ずっと大音量で流れていたのではなかったので良かったです

『卒塔婆小町』の舞台は、三島作品では公園ですが、この作品では、ネットカフェです。今風の軽~い若い男性店員が出てきます。

そこにいる老婆が、小町、99歳。
店ができた時よりずっと前、戦前からここに住んでいたと言います。
ネカフェの店員の1人、キイチは危ないものを吸っているらしい。映画を撮る夢を持っています。
キイチは老婆に興味を持ち、老婆の若い頃の話を聞きます。

小町のところに九十八夜通い詰めた深草貴一郎。九十九夜目、ある決意のため、明日は来られないと言います。大願成就はなりません。恋を捨てて大義に生きるとは。。
小町を美しいと言い、出て行きますが、深草を追っていた憲兵に射殺されてしまいました。
小町を美しいと言った男性は、皆死んでしまうのです。


『熊野』の話が、同時進行していきます。
ユヤはネットカフェにいる少女。
神という、平野宗盛に、住むところと食べ物を援助してもらうことになります。
条件は、スマホ、携帯、ネット使用禁止。
あとは何でも自由。

5年後。
ユヤと宗盛の関係は、かなり歪んでいます。
花見に行こうと誘う宗盛。
気乗りしないユヤには、会いに行きたい好いた男性がいます。隠しているつもりが、バレていました。

ここまでは三島作品に沿っていますが、舞台ではこの先がまだありました。
いろいろなことが展開していきますが、それが、夢なのか、妄想なのか…
何が真実なのか、良く分かりません。
現実とは、嘘のかたまりでできているのかもしれないと思いました。
人の本心は分からない。

三島作品の『熊野』も、騙しているつもりが騙されていた、何が信じられるのか分からないお話でした。

話は戻り、小町はかつて女優だったらしい。そめやひばり。
小町に関わりの深かった、2人の男性が、小町を美しいと言った後に、命を落としてしまいました。

ついに、キイチまでも。


ネットカフェに、小町とユヤがいます。
今まで見せられていた物語は何だったのだろう。

最後に、小町は深草貴一郎と再会します。
百年後に戻ってきます。百年後にこの場所で会おうと言っていた。

これも夢か幻か?

小野小町と深草少将の伝説が、現代に伝わり、三島由紀夫、マキノノゾミさんによって現代劇に創られている、また何年か後にどなたかが現代劇に創られるでしょう。
時の流れは速いような、止まっているような不思議な感覚でした。

人の感情は、時代によって表現の仕方が変わるけれど、根本は変わらないから、伝わっていくのですね、、


平岡祐太さん、倉科カナさん、眞島秀和さん、水田航生さん、そして一路真輝さん、皆さん、自然にお役になっていて、舞台に集中して拝見することができました


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