通しで観劇したのは、5年前の歌舞伎座さよなら公演以来です。
花水橋の場では、足利家の殿様、頼兼がお家乗っ取りを企む一味の刺客に襲われるところ、扇子を持っての立廻りです。ゆったりとしています。頼兼の梅玉さん。廓帰りの雰囲気を持ちつつの立廻りは、紫色の着物で、高貴さもあり、上品です。
助っ人の相撲取り、松江さんの絹川谷蔵も、格好良く敵を片付けてくれました。
頼兼は、扇子であおぎながら、悠然と花道を引っ込んでいきました。梅玉さん、程良く色気が滲んでいました。
竹の間に、跡継ぎの鶴千代君と乳人政岡、千松が入ってきて、公時が強い、弁慶が強いなどと子供らしく言い合っています。
鶴千代が、男を近付けないようにして、物も食べないので、病気見舞いに八汐、沖の井、松島がやってきました。
政岡は扇雀さん。八汐は翫雀さん。ご兄弟の対決となりました。
八汐は大柄な立役さんが演じられる印象があるので、翫雀さんの八汐は一味違う感じでした。扇雀さんと翫雀さんの逆もありかなと思いましたが、翫雀さんの八汐は、良かったです。男のような強い悪ではなく、女性の恐ろしさを感じさせる意地悪ぶりでした。翫雀さんの八汐、翫雀さんの味があって、面白いなあと思いました。
政岡の扇雀さんは終始、難しい顔をして、若君を護らなければならない緊張感を持ち続けていました。
沖の井の孝太郎さん。政岡に味方をしてくれますが、理屈が通っていて聡明さがあります。部屋から出ていく時には、八汐に敵対心を表していました。
もう一人、政岡に味方してくれる松島は亀鶴さん。女形もきっちりとお務めです。武家の女性が良く合っていました。
~と、ここまで観劇してすぐに書きました。
挫折してしまうのも、、、
千穐楽前に、印象に残っていることを書き加えて、日の目を見させうと存じまする~
竹の間から、政岡は、手を付けさせなかった鶴千代君のお膳を部屋に運んでいきました。
奥殿の場で、御簾が上がると政岡が先ほどのお膳を持って立っています。この場から始まることが多いので、竹の間からつながりました。
奥殿の場の政岡は、藤十郎さんに替わりました。
八汐たちの来訪の知らせを受けて、政岡は「母の言うこと忘れまいぞ。」と千松に念押すように言います。千松は、鶴千代にお行儀よくお辞儀をして下がっていきました。幼いのに、なんとも立派なお子さまです。
八汐ら謀反組が鶴千代に持ってきたお菓子を、政岡の子千松が駆け出してきて、先に食べて苦しみ出します。政岡によく言い聞かせられていて、幼いながら、鶴千代の立派な忠臣です。
苦しむ千松を、八汐が鬼のように懐剣を、容赦無く。
この時、政岡は鶴千代を守りますが、上手の障子の部屋に隠しました。
千松が八汐にやられている間、政岡が裲襠に匿って守り、後で沖の井が連れて行くと記憶していたのですが、記憶違いか、違う演じ方なのか、次の上演の時にまた観てみたいと思います。
藤十郎さんは、鶴千代の乳人から、緊張が解けて、千松の母の気持ちを表していくところが、とても丁寧に表現されていると感じました。
翫雀さんの八汐は凄かったです。翫雀さんは女方もされることが多いので、立役の役者さんが演られるのとは違う迫力がありました。良かったです。最後は、政岡に、我が子の敵討ちという感じでやられてしまいました。
栄御前の東蔵さんは、政岡に心を許してしまいますが、敵役でも手堅い感じでした。
この後は、床下から大詰。男ばかりの場になります。
最後の感想は、忠臣側の笹野才蔵の梅丸さんが、凛々しいなあ
と思いました
と思いました
今月はこれ切り~
では、次の観劇まで

