@中日劇場
開幕前に、文字久大夫さんから、今日の演目「妹背山婦女庭訓」姫戻りの段と金殿の段と「新版歌祭文」野崎村の段 の5分で解説がありました。
かなりザックリ言うと、両方とも一人のイケメンを巡る二人の女性のバトルのお話ですね。
妹背山婦女庭訓
四段目
姫戻りの段
橘姫が三笠山の御殿に戻ってきました。求馬(求女と書かないのです)は、橘姫の後を付けてきました。姫の振袖に赤い糸を付けて、苧環を持っています。橘姫は蘇我入鹿の妹。求馬は実は藤原淡海。鎌足の息子。敵どうしですから、添い遂げることはできません。
「どうせ添えぬなら、手に掛けて下さい」
「ムッ心底見えた」
よくあるパターンですが、入鹿が盗んだ十握の御剣を奪い返してくれれば、夫婦になる、と求馬は姫に言います。
橘姫は、「第一は天子の為、命をかけてしおせませう」と約束しました。
金殿の段
咲大夫さん
燕三さん
ここからは、歌舞伎でよく上演される三笠山御殿の場となります
求馬を追って、お三輪がやって来ました。求馬の着物に白い糸を付けて、苧環を持っています。お三輪の着物は麻の葉段鹿の子。十六むさしではありません。御殿には、勇ましい様子でやって来ました。
最初に出くわすのは、豆腐御用。とぼけているような、お三輪をからかっているような、面白い人物です。
豆腐御用から、求馬と姫の祝言があると聞いて、お三輪はキレ気味です。
「ほんに油断も隙もなるこつちゃない。大それた人の男を盗みくさって、何ぢゃいしこらしい内祝言じゃ」
御殿にのりこんでいくと、意地悪官女が4名現れました。酌とらす練習やら謡やらと、いやがらせをします。 馬子の唄を片肌脱ぎになって、手拭い鉢巻をして唄わせて、官女たちは行ってしまいました。
お三輪は願いを聞いてもらえず、
「男は取られ、その上に恥かかされ 、思えばつれない男。憎いはこの家の女めに見かへられたが口惜しい」
「妬ましや、腹立ちや、おのれおめおめ寝さそうか 」と恨みがつのっていきます。
人形の疑着の相ってどんなだろうと思ったけれど、顔は変わりませんでした。
鱶七実は金輪五郎に脇腹を刺され、
「女悦べ。それでこそ天晴れ高家の北の方。命捨てたる故により、汝が思う御方の手柄となり 入鹿を亡ぼす術の一つ。ホホでかしたな」の言葉に救われ、求馬を想いながら、息絶えました。
求馬に仕組まれていたわけではないでしょうが、入鹿を亡ぼす条件がこの上なく整いました。
勇ましいお三輪でした。
ーその後のお話ー
入鹿は絶命。橘姫と淡海は夫婦になるのだそうです。