こころのなぞとけたいろいと

四世鶴屋南北  作

文化七年(1810)江戸市村座  初演

明治以降、上演の機会が少なく、
昭和四十八年の国立劇場以来の公演だそうです。
副題に、「小糸左七」「お房綱五郎」とあります。
あと、もう一組、お時と九郎兵衛が、深く関わってきます。

左七と小糸の物語は、明治に三世河竹新七によって初演された
書替え狂言「江戸育御祭佐七」があり
音羽屋所縁の演目となっているそうです。

外題からも想像されますが、この6人のうち、
誰かと誰かが実は血が繋がっているとか、
実は、があったりして三組の話が絡んで、解かれていきます。

男女の話も、美しく、愛想尽かしの悲劇あり、
お店の町娘と浪人のちょっと滑稽な恋話。
スリの男女の、実は、、からのモドリ。

お家の重宝「小倉の色紙」紛失を仕組み、
悪だくみをする家臣がいて、
これを詮議するお話。

染五郎さんは、左七と九郎兵衛の二役を
早替わりで演じられます。
相対するお役なので、演じ分けも見応えがありました。

左七率いる鳶の者と、赤城家の諸士の立廻り。
鳶のかけ声が、粋な感じがします。
染五郎さんは長い鳶口を持って、迫力がありました。

愛想尽かしを受けた場面から、
真実がわかって立廻りに向かう場面、
大詰まで、熱い舞台でした。