義経千本桜 二段目

船問屋渡海屋に、義経主従が船を待って逗留しています。
弁慶が出てきて、娘お安を跨ごうとしたら、
にわかに足がすくまって、、、
お安が唯の娘ではないと察しました。
弁慶は歌六さん。大きくて立派な、思慮深い感じです。

渡海屋主人、銀平は留守ですが、
北条方の家来、相模五郎と入江丹蔵が船を出せとやって来ました。
又五郎さんと錦之助さん。

女房お柳は断りますが、五郎と丹蔵が腹を立てて
お柳に掴みかかろうとしたところへ、
渡海屋銀平の吉右衛門さん。
厚司姿で傘をさして花道から登場します。
いなせな侠客風で、大きくて、かっこ良いです。

五郎と丹蔵は銀平に簡単にやられてしまいます。
刀を曲げられて、二人で直して鞘に収めるところや、
魚づくしの台詞で情けなく、刀の紐で五郎が丹蔵に釣られた格好で
花道を引っ込んでいくところは、なごみます。

女房お柳は芝雀さん。
義経に、夫の自慢話を饒舌に語るところは
世話女房風ですが、品も感じました。

義経主従が船場へ出かけていくと、
銀平が白の鎧兜の知盛の姿で現れました。
立派な武将のお姿です。
お安は安徳帝、お柳は帝の乳人典侍の局なのでした。
銀平は盃を賜って、能の舞を一差し。気分を高めていきます。
そして、幽霊姿の配下の者と勇ましく出陣していきました。

相模五郎と入江丹蔵は、実は知盛の家来で、
義経主従を油断させたつもりが察知されていて、
船上での戦いは、敗れてしまいました。
見守っていた、官女たちは入水します。

十二単姿になった典侍の局も、
幼い安徳帝に入水することを覚悟するよう勧めます。
今の世は源氏がはびこって恐ろしいから、
海の下の結構な都に行きましょう。
安徳帝は、それはうれしいが、恐ろしい波の下に唯一人で行くのか、と
典侍の局に問い、
今ぞ知る みもすそ川の御流れ 波の下にも 都ありとは 
と詠みました。さすが幼いながらも帝であります。

典侍の局が安徳帝を抱き、
いうにかいなき余生じゃなあ、、、若君様の御道標、、、おさらば、、、
一時も早う極楽への御門出、、、「いかに八大竜王、、、」
と、一気に祈り上げ、入水しようとするところ。
芝雀さんの典侍の局は、気迫がこもっていて、
覚悟が伝わってきて、緊迫した空気になりました。

その時四天王が現れ、亀井が安徳帝を抱きかかえ,
二人の入水は阻まれました。

幕。大物浦へ続きます。