ゲーム回顧録
【ザナドゥ シナリオⅡ】

概略
メーカー:日本ファルコム
発売日:1986年
 主にpc9801.PC8801シリーズで遊ばれたアクションRPG「ザナドゥ」の続編。
短評
 この時代のRPGとしては金字塔でもあった「ザナドゥ」な続編です。様々なギミックが追加され、1作目より面白さが向上した正統派続編でしたが…個人的には何よりもゲームBGMが格段にレベルアップしたのが革新的なゲームでした。

思い出
 このゲームを思い出すと、真っ先に思い描かれるのは【ゲームBGM】です。このゲームの音楽プロデューサーを務められた「阿部隆人さん」、「古代佑三さん」。この方々の作るBGMに心を奪われ、名作には大体素晴らしいBGMがあると思い至りました。(初期のウィザードリィみたいなBGM無しの名作もありますが(笑)。)
 中でも私は、古代さんが手掛けたファイナルステージ、レベル11のBGM「Shangri-La」を初めて聴いた時、ゲームBGMの本当の魅力に気付かされたと思ってます。ゲームBGMは単なる脇役ではなく、主役にすらなりえる事、聴いてて初めて鳥肌がたったのはこのゲームが初めてでした。

 ゲームの中身自体は、前作のザナドゥの方が難易度と完成度は高いかな?と思います。ゲームシステム自体はシナリオⅡと1作目はほぼ同じですが、限られたリソースを用いて攻略する楽しさは1作目の方が練られていたかなと。
 ただし1作目も2作目も、武器や防具、魔法に関する熟練度システムや、敵の数が限られていたのは、ゲームに独特の緊張感を与える面白い試みだったと思います。
 今回取り上げた2作目の方は、1作目よりも色々なギミックが増え、最初は難易度が高く感じました。しかし、コツがわかれば無限に金が稼げたのと、最強の盾と鎧が序盤に金で買えたので、そこが少し残念だったかな?と感じました。

 
 途中進み方を間違えて、2回程キャラクターを作り直しましたが、粛々と攻略を進め遂に最終ステージに脚を踏み入れます。ゲートに入るとフロッピーを読み込むドライブの音が「ガチャッガチャッ」と聞こえた後、PCから最終ステージのBGMが奏でられて来ます。
 それは鬼才・古代さんが手掛けた
「Shangri-La」
私はキーボードを操作する事を忘れ、暫く呆然と聞き入ってしまいました。

 あの当時、FM音源で良くぞあそこまで、荘厳でかつ不気味な楽曲を仕上げたものです。初めて聞いたのが深夜だった事もあってか、否が応にもラスボスへの恐怖感も煽られてか、全身震え上がった事を今でも思い出す事が出来ます。
 そもそもこのゲーム、フィールドのBGMが全ステージ1曲しか無かった1作目と比べて、全ステージBGMが異なり、何も素晴らしい曲ばかりでした。でも、この最終ステージの曲だけは別格で、私の魂に突き刺さりました。

 私にとって、【ゲームミュージック】で初めて心を射抜かれた作品ザナドゥシナリオⅡ。今でもたまにYouTubeで聞いたりします。勿論、その後に沢山の素晴らしいBGMに心奪われましたが、やはり最初の衝撃は心に刻み付けられてしまう様です。
 ガンダムネットワーク大戦のBGMも悪く無いですが、後半はシンドイ想いばかりでしたので、聴くと何か緊張してしまいそうです(笑)。何時かは素直に懐かしい気持ちだけになりますかね?