もし地球より発達した星があるとしても、
それが必ずしも「幸せ」とは限らないかもしれない。
高度文明の住人から見れば、
私たちがまだお湯が沸くのを待ったり、
道に迷ったりしているのは、
「不便という贅沢」を満喫しているように
映る可能性がある。
ボタン一つで何でも終わる世界では、
「待つ時間のエモさ」は絶滅危惧種なのだろう。
とはいえ、彼らがそこまで辿り着いた努力や知恵は本物で、
何世代にもわたる失敗と試行錯誤を積み重ね、
感情を手なずけ、争いを減らしながら静かな文明を
育ててきた結果なのだと思う。
ボタン一つの世界の裏側には、
きっと私たちと同じような遠回りと
後悔の歴史が詰まっているはずだ。
また「争わない社会」も、
実は全員が空気を読みすぎる薄味コミュニティかもしれない。
地球のマウント大会やコメント欄バトルを見て、
「あいつら個性爆発してて面白いな」と
ポップコーン片手に観戦している宇宙人もいそうだ。
さらに環境チート星育ちの彼らは、
災害ゼロで育ったせいでメンタルが
液体レベルに柔らかい可能性もある。
台風でも出社し、失恋してもSNSを更新する地球人を見て、
「戦闘民族か?」と震えているかもしれない。
そもそも発達の方向性が違う説もある。
機械は原始的なのに、全員テレパシーで繋がり、
昼寝しながら宇宙の真理に到達している星。
ロケットを飛ばそうと必死な私たちは、
糸電話で遊ぶ子供に見えているかもしれない。
などと考えつつ、
私は今日もスマホに気を取られ、
5分で終わる用事を30分かけている。
宇宙の心配より、まず自分の集中力を進化させろという話だ。
もし宇宙人に遭遇したら、私はこう言い訳するだろう。
「今ちょっと別銀河の用事がありまして」
きっと彼らは頷きながら思うはずだ。
地球人、発達は遅いけど、
言い訳の進化だけ異常に早いなと。
