映画『ソーシャル・ネットワーク』 | きたはら探題

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漫画原作者・北原雅紀オフィシャルブログ

先日、ようやく『ソーシャル・ネットワーク』を観た。



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言わずと知れた、フェイスブックの創始者

マーク・ザッカーバーグを描いた映画。

まず驚くのは、この映画の即時性。

たとえばテレビなら、

旬の人物をとりあげてドラマ化するのはよくある話だし、

漫画でも、昔から「○○物語」というのをよく見かける。

だけど、なかなか企画が通りにくく、

企画が立ち上がっても

公開まで時間がかかる(という印象の強い)映画というメディアで

ここまで「今まさに旬の人」が、

しかも、完全ドキュメンタリーの手法でなく

創作をまじえた人間ドラマとして制作されるのは珍しいのではないか。

やはりこれは、デヴィッド・フィンチャーという、

ある種、強いブランド力をもった監督の企画だから、なんだろうか。


かく言う僕も、デヴィッド・フィンチャー監督は

好きな映画監督のひとりで、

これまでの公開作は当然、ずべて観ている。

噂には聞いていたけど、

ヴィジュアリストの側面が強いデヴィッド・フィンチャーが

ここまで台詞に頼った映画をつくるとは。

そのチャレンジ精神に、まず感服。

最近、マンションの工事と赤ん坊の泣き声のために

どうも慢性的な寝不足気味なので、

疲れた目で字幕を追うのは、かなりキツかったけど・・・(苦笑)

時系列が飛びまくるわりには混乱が少ないのは、

構成が巧みな証拠だろう。


この主人公が、どこまで実在のマーク・ザッカーバーグを

模しているのかは詳しくないのだけれど、

もっと「天才」かと思っていたら、意外と「等身大」の描写だった。

天才的なエキセントリックさは、

むしろショーン・パーカーに感じられる。

ショーン・パーカーの台詞にあった、

「14匹のマスではなく、1.4トンのメカジキを狙え」

(目先の小さな利益よりも、将来の大物を狙え、という意味)

という考え方は大好き!

僕も、そうありたい。

まあ、まだメカジキは釣り上げられてないかもしれないけれど・・・(苦笑)


ネットワークでの「つながり」を世界中に提供した

マーク・ザッカーバーグ自身が、

本当につながりたかった人とは「つながれない」ままでいる、

というラストシーンは、すごく良かったなあ・・・。


フェイスブックには、ちょっと前に知人から誘われていて、

「始めるのは、この映画を観てからにしよう」

と思っていたのだけれど、

これでようやく、始める態勢を整えられそうだ(苦笑)


マーク・ザッカーバーグももちろん興味深い人物なのだけれど、

個人的には、ウィキリークスの創始者、

ジュリアン・アサンジのほうが興味がある。

誰か、ジュリアン・アサンジとウィキリークスを

モチーフにした映画、つくってくれないかなあ。


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