回想~『深夜迷宮街』 | MK’S BAR

回想~『深夜迷宮街』


六甲アイランド~

島の中心部は高層マンションが立ち並ぶ住居区、

そしてその東西を工場たちが両翼を広げる様に形成されている・・・・・

兵庫県神戸市東灘区に有る人口島。


昔、その六甲アイランドで迷子になった事がある。


夕方から宵へと移る頃、この島はその様相を一変させる。

昼下がりから夕方頃までは六甲アイランドシティの住人と島外から訪れた人達とで、その往来が途切れる事は決して無い。

印象としては・・・・・

白人系の外国人家族や神戸よりもひときわセレブな人々たちが多く暮らしているように思える。

それでいても、

大阪のキタやミナミ、神戸の元町・・・・・。

所謂、都会の繁華街の雰囲気とはまったく異なっていて・・・・・・

計算づくで整備された公園や緑地帯、商業施設を優雅に上手く、ここの住民達は日々の暮らしの中や、その生活リズムの中に取り入れている。


そして、東京や大阪などの都会独特の咽返る様な空気はこの島には存在しない。

しかし、その街の特性から・・・・・

夜の帳とともに活動を終えた工場地区はその鳴りを潜めて、アイランドシティの住民達もおのおのの住まいへと帰ってしまう。

夜の8時も回る頃には・・・・・

人っ子ひとり見当たらない、さながらゴーストタウンの様相を呈す。




僕は、当時つきあっていた彼女の、『美由紀』と愛車でこの六甲アイランドに遊びに来ていて・・・

昼過ぎから夕方までショッピングを楽しんで、レストランで食事。その後・・・・・少し島内をドライブした。

それがそもそもの過ちだった。




六甲アイランドシティ、午後10時。


その場所には人っ子一人いやしない。

信号機も無ければ、道標も存在しない。

無限に広がる網目の道路と、漆黒の大阪湾。




大阪の梅田から西へと車を走らせる。

芦屋を越えて、魚崎を南へと下る。


そこは、六甲アイランド。


深夜のその人工島で確かに僕は迷い子になっていた。





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