公園にて。 | MK’S BAR

公園にて。


『お前さん、まだそんな窮屈な人生を送ってんのかい?』



ホテルに隣接する格好で、公園がある。

時間が空いた時、その公園に出向きベンチに座り一服をする。


夕方頃に必ず出会うお爺ちゃんがいる。

一世代前のタイガースキャップ、比較的綺麗な自転車とナップサック。

自転車の前カゴにはラジオ。

ラジオから聞こえてくるのは・・・・・阪神対巨人の実況中継。


路上生活者である彼と、ネクタイで縛られた哀れな僕とのヒューマンスクランブル。





僕は彼をさげずみ、彼は僕を哀れむ。

そんな公園の二人に会話はない。


そして、

二人に共通するのはタイガースファンである事のみ。









『おっちゃん、そんな人生でええのんか?』

「ハナタレのクソガキが何言うとんねん!!」

「悔しかったら俺みたいな人生、送ってみ!!」


金本の先制タイムリーをラジオが告げた。

それでも、僕とお爺ちゃんは微動だにしなかった。







お爺ちゃんはただひたすらうちわを仰いでいた。


僕はただ煙草の煙を肺から外へと吐いて捨てた。