回想~『1994年、新緑の季節・・・ある日の情景』 | MK’S BAR

回想~『1994年、新緑の季節・・・ある日の情景』



茶屋町に差し掛かった頃、

夕どきの陽をたっぷりと浴びて青色に染まったM字型のビルが見えて来た。

毎日放送ビル、梅田ロフト、ホテル阪急インターナショナル・・・・・

都心から少しずれた辺鄙な細道はこれらのビル群によってその許容範囲以上の人の流れを形成している。




僕は深く大きく自転車のペダルを踏み込んだ。

『ところで・・・扇町の工事はいつまで続くのだろう?』


いや、・・・・そんなことはもうどうでもいい。

僕は二週間後にこの街から去るのだから。





確か、梅田のアーケード街のど真ん中に小学校があったはずだ。

梅田北小学校だったか、曽根崎小学校だったか、既に僕の記憶は曖昧だけど・・・・・

ただ・・・・・

大きな街の、小さな小学校の校庭が五月の訪れを僕に知らせてくれていた。




狭苦しいアーケードの屋根と高層ビルの狭間で・・・・・

それでも、木々達は健気に青々しく・・・新緑の輝きを放っていた。