薄毛同盟④ | MK’S BAR

薄毛同盟④


古い軒並みをくぐり抜けるように歩いてゆく。

角度によっては夜空の向こう側に高いビル群が見える。

都会に住む人々が吐き出したため息と、幾数もの店々が織り成すネオンで空は紫色掛かっている。

角度のある何度目かの坂道を登った所で、左側の路地を曲った。


『MK'SBAR』

『今夜貸切。ハゲちらかってしまった男性とそれを愛するフェチ女性の楽しいPARTY♪』


今夜の店はどうやらここらしい。

泉川由美は手グシで艶やかな黒髪を整えてから店のドアを引いた。



カララン♪

『いらっしゃいませ♪』



パリッとアイロンの効いた真っ白な立ち襟のシャツ。

黒のベストと蝶ネクタイ、意志の強さが感じられる瞳と豊富な黒髪のオールバック。

由美の期待以上のイケメンマスターが出迎えてくれた。


『お客様♪コート、お預かり致しますよ♪』


この店のマスターはスマートでエレガントだった。

今までに何人の女性のコートを脱がして来たことだろうか?

イケメンマスターに心を奪われながらも、由美は店内を見渡してチェックした。

今夜のターゲットは三人。

いずれも見事な禿げ頭がBOX席に座ってソワソワしている。



季節はいつの間にか秋から冬へと変わっていた。

空気は秋に比べて冷たくなったはずなのに・・・・・そのことに気づけない由美がいた。



MK’S BAR-LASTORDERが来ない夜-2nd Season-090824_1731591.jpg



つづく。

(多分・・・)