夏、白い壁、待ち合わせ。 | MK’S BAR

夏、白い壁、待ち合わせ。



真夏だった。


ジリジリと蝉が鳴く正午過ぎの青い空の下で


何処までもその白壁は続いていた。




お寺だったのか、神社だったのか。


それはハッキリしている。


神社には壁と云うモノが無い。


氏子によって寄付される石灯篭が神社の壁となる。


神社の息子の俺が言うくらいだから、その白壁に覆われた古い建物は寺だったに違いない。





しかし、そこで僕の記憶は曖昧になる。



僕は当時、小学生だったような気もするし、高校生だったような気もする。


場所は生まれ育った町だったような、大阪だったような、京都だったような。






少なくとも、二十年前の記憶。





長い人生の中の迷い道。



そんな感覚ありませんか?





確かなことは・・・僕はその時、誰かを待っていた。






暑かった夏。


遠く長く伸びる白い壁。






曖昧ながらも、鮮明に刻まれている僕の中のひとつの記憶。