妄想劇場~2063年、春《ある親子の物語》 | MK’S BAR

妄想劇場~2063年、春《ある親子の物語》


「パパ~~、ブログってなあに?携帯電話ってなあに?メールって……パソコンって?」


『うん、パパのお父さんが生きていた頃の話だよ』


『当時はインターネット……ってモノがあったらしくてね、直接合わなくてもね……スイッチひとつで色々とコミュニケーションを取れていたみたいだ……』


「へぇ~~!!??超~~原始的だね♪」


『うん、確かにね、もうかれこれ五十年前の話だからなぁ……』


「ふふふ、今はもう西暦2063年だもんね♪パパ… 昔って変なのぉ」


「言葉を伝えるのに……間接的にやり取りしていたなんて……直接伝える程の文明が発展していなかったんだねぇ♪」


『………うん、でも仕方ないよ……お祖父ちゃんの頃の地球は、人口が50億人位いたからなぁ……』


「えっ?そうなの!?」


『うん、いたらしいよ……今の世の中はパパとお前の二人っきりだけどな……』



「パパ……みんな何処へ行ったのかなァ……」



湖と海はとっくに枯れていた。緑と言う色彩はこの世の存在から削除されていた。



『核』の雲の切れ間に覗いた……灰色の太陽に、一組の親子は重い溜息を吐きつけるのだった。