MKの怖い話~第二夜《近づく女》 | MK’S BAR

MKの怖い話~第二夜《近づく女》

その女の存在に気づいたのは一週間前の夜だった。





『いい女だな……』


信号待ちで車を止めたMKの視線の先には、横断歩道の前で佇む女がいた。



今思えば、この時に気づくべきだった。





MKは赤信号で車を止めていた。


女は青信号なのに立ち止まっていた。




二日目。


昨夜の信号を青でクリアして車を走らせるさなか……左の視界に女の姿を見た。


『あれ?昨夜と同じひとだ?』


視線が合ったような気がした。




三日目。


昨夜見掛けた場所から、500メートル程通過した歩道橋の上にその女はいた。


こちらをジッと見下ろしていた。



MKはある事実を認めざるを得なかった。



そう。


女は近づいて来ている。


俺の家に。




五日目の夜。


いつもの国道に女の姿は見つけられなかった。


妙な安堵感に包まれた。


国道から外れる交差点を左にハンドルを切る。


自宅マンションはもうすぐだ。


曲がったところでぎょっとした。


曲がり角近くの、コンビニエンストアの駐車場で……女がこちらを睨んでいた。




六日目。


今夜は、最後まで女と遭遇しなかった。


MKは急に強気になる。



『クソッたれが!!何やねん!!意味わからへんしっ!!』


『あの女……今度会ったら、言わしあげたる!!』



!!!!????



ひゃああああああああああーーーーーーーーー!!!!!!



マンションの駐車場に女はいた。



全力疾走!!!!!!


MKはパニックになりつつ、足をもつらせながらも……やっとの思いで自分の部屋に転がり込んだ。


一晩中眠れなかった。


ガタガタ震えながら酒を煽った。




七日目。


初めてあの女と遭遇して一週間が経った。


今日家に帰るつもりは、まるでなかった。



昨夜遂にマンションの入り口にまで……女は近づいて来ている。


今夜は帰らない。



オフィスの駐車場……車に乗り込む。



ピピピ♪



後部座席が、半ドアのサインを発している。



????



『ハッ!!!!』




MKは……振り返ってしまった事を後悔した。