今から十五万年前 この頃にはインド洋上には まだ大きな大陸はなく 日本列島の二倍位の大きさの陸地があったにすぎません ミュートラム文明から逃れてきた数千人の人々は ここで着実に子孫を増やしていったのです 

ところが今から八万六千年前 この陸地は 突然浮上をはじめ みるみるうちにインド洋上に 大陸ができあがってきます それから約一年ののちには 巨大大陸レムリアがその全姿を見せました 東西三千四百キロ 南北四千七百キロのひし形の大陸です この大陸には やがて草木がおいしげり 肥沃な土地となっていきます

そして 今から四万四千年前 この地に その後 ギリシャに生まれて ゼウスと呼ばれた人が出現したのです この時は エレマリアという名です このエレマリアは 文学 美術 音楽をはじめとして 芸術面で 万能の天才でした レムリアという大陸名は かつてのミュートラム大陸の首都 ラミュートからきていますが このエレマリアという名も エル レムリアがつまって エレマリアと呼ばれるようになりました エルとは 神の光という意味です つまり レムリアに降りたる神の光と言うのが その名の由来です

大聖エレマリアは 芸術を通して 人々に生きる喜びと 神の栄光を教えました そして レムリア文明は エレマリア以降 音楽 絵画 文学 詩 建築 彫刻などの方面にたいへん栄えました 現代でも 芸術方面にすぐれた才能をのばしている方たちと言うのは かつて レムリアの時代に 勉強をしていた人々なのです

 

大聖エレマリアのあと 二万九千年程前にレムリアに巨大な光をもたらしたのは マヌです この時の名前をマルガリットと言います マルガリットとは 競い立てる者と言う意味です 競い立てるには二つの意味があります 一つは その頃すでに 全能の神と崇められていた大聖エレマリアと競い立つと言う意味 もう一つは 芸術を通して各部族を競わせると言う意味です

マヌ すなわち 大師マルガリットは 芸術に はじめて競争原理を持ち込んだ人でした 彼は 音楽 絵画 文学 建築 加工技術の五分野に部族をわけ それぞれに最高のものを追求させました そして 三年ごとに 最高の芸術を決める競技会を開催 最優秀となった部族を その後 三年間 国を統治する階級としたのです これは芸術というかぎられた領域ではありますが 公平に競争させて 勝者を統治者とするという意味では 現代の民主主義 デモクラシーの先駆けともいえるものでした しかも芸術の究極には神がいると言う教えでしたから ある意味での祭政一致をめざしたものでもあったと言えます

 

このレムリア文明も 今から二万七千年前 忽然とインド洋上から姿を消してしまいます それはある暑い暑い夏の日の午後でした レムリア文明の最後は とてもあっけない結末でした 芸術をきわめた彼らは 毎日午後になると 二時間程 音楽を楽しむ時間をもっておりました 突然グラグラっときたのは まさに 人々が音楽にうち興じている最中でした 近代的な大音楽ホールが あっけなく崩れ落ちてゆきます 大陸はまず 東端から沈んでゆきました 午後四時頃には 大陸は半分ほどになってしまいました そして 翌朝七時には 朝日がキラキラと青い海原を照らしていただけで 大陸は影も形もなくなってしまったのです レムリア大陸に住んでいた二百五十万人の民は 一人残らず海中に消えてしまったのです 善人も 悪人も 全く関係なく 全てがなくなってしまったのです

 

しかし文明だけは救われました なぜならば レムリアの人々は 植民地をもっていたからです 植民地の名は モア大陸 のちの名をムー大陸と言います レムリアの人々は今から二万八千年位前から ムー大陸の諸都市を植民地化しはじめました そして ムーの人々の一部を奴隷として レムリアに連れてきて 単純生産の作業をさせて 自分たちは学芸に酔いしれていたのです そういう不調和の大きな黒い想念の雲が レムリア文明の末期をおおい やがてはそれに対する巨大な反作用から 大陸が陥没したのだと言えます