特発性アルドステロン症①

 

2024/04/11

3週間ぶりの外来診察になり、先日撮影した副腎造影CTの検査結果の説明がありました。久しぶりの外来診察はもとより、CTの検査結果の説明でもあることから大変な緊張で駅に降り立ちコミュニティーバスに乗って病院に向かいました。

 

 

この時点では、副腎腫瘍が発見され次の検査である、副腎静脈サンプリング検査の予定をどこに入れられるだろうか。摘出手術はいつ頃に入れられるのだろうか。夏休みに絡めて予定が入れられれば手術後の静養にもなるかな。などと考えていました。

 

 

昨年暮れにクリニックでの診察で「検査入院」「腹腔鏡手術」など初めて聞いた頃とは異なり、今の病院の主治医の先生に全幅の信頼をおくようになっていたので全てお任せするつもりでした。

 

これは時間が作り出した先生への信頼というよりも、初診の時に丁寧でゆっくりと時間をかけた(50分位)問診に感激したという事が大きかったです。足の浮腫み具合を診て首肩まわりの様子を触診するなど大変丁寧に診ていただきました。

 

 

昨年暮れは、どうしても手術は嫌なのでなんとか回避する手段を模索していて、ネット上の記事や様々な文献を検索していました。これ程徹底して文献の内容を検討したのは学生時代以来数十年ぶりでした。今から思えばこれはこれで楽しかったような気もします。

 

 

結果として、副腎摘出手術が第一選択として推奨されるものの、薬物治療も決して否定されるものではなく、医師が患者とよくよく相談のうえ決定すべきものと示されていると理解しました。

 

また、手術が推奨されるケースであっても、アルドステロンの産生量が極端に多かったり既に臓器障害を引き起こしている場合にそのような判断がなされているように思えました。

このような理由はあまりネット上や文献において明示されていないように思われますが、手術を推奨する医療機関や医師であれば、このようなわかりやすい例を挙げて説明してもらえればスムーズに理解がすすみ手術療法が選択されるのではないかと思いました。

 

 

 

前回の診察の際に説明がありましたが、副腎CTの画像診断によって、腫瘍が確認できれば手術。確認出来なければ内服治療へとすすんでいく予定でした。

 

 

 

 

 

診察室に入ると早速CTの画像がパソコンの画面上に映し出され説明が始まりました。肝心の副腎の画像ではなく腎臓や肝臓のあたりをスクロールしながら説明していただきました。他の臓器の画像説明から入るという事は、時々TV報道などで見ることがある裁判の判決を思いおこしてしまい緊張がはしりました。

 

ようやく副腎の位置までたどりつき、

 

「腎臓や肝臓も特に問題なく、副腎に腫瘍も見られません

「ですので、前回の診察の際に説明した特発性アルドステロン症の確率が90%と思われます」

「現時点では腫瘍は見られませんが、小さくて画像に映らないこともありますし、今後数年経過して腫瘍が大きくなることもあります」

「今後は血液検査の数値(ホルモン)をみつつ、必要に応じてCT検査を行います」

 

 

「今日からアルドステロンをブロックする作用のある薬を処方しますので、明日から飲んでください」

 

 

結果として、薬物治療によって原発性アルドステロン症の治療に進むことになりましたが、たとえ副腎に腫瘍が発見されて手術療法に進むことになってもこれを受け入れようと思える心境でした。


主治医の先生の分かりやすく丁寧な説明と共に優しくあたたかい雰囲気は、専門家とはかくあるべしという姿に思えました。