デキサメタゾン抑制試験

 

デキサメタゾン抑制試験とは

 

 

この検査は副腎の働きに作用する薬を飲んで、内服後の血液を採取することによって、副腎や下垂体の機能を調べるものとされています。

 

検査前日の23時に処方された薬一錠を飲んで、以降検査終了まで水やお茶しか飲めません。

 

病院到着後に、午前9時より30分間安静の後にベットで寝たまま採血となります。

 

この時の看護師さんの採血はこれまでの中で最も痛みがなく驚きました。アルコール消毒が随分と長いなと感じているうちに採血が終了し信じられないように思いました。

思わず、「やめてくれ!」と言いたくなることもあります。すごい看護師さんでした。

 

30分間安静にしているということは殊の外大変ものです。前もって「寝ててもいいですよ。起こしますから」と言われましたが、とても寝られる様な状況ではありません。腰や肩が痛くなりました。

 

採血が終了した時点で食事可となりますが、この後の検査数値の結果が心配なのでそのまま待ちました。

 

 

デキサメタゾン抑制試験とは、副腎からのコルチゾール分泌がどの程度抑制されるかを調べるものらしいのです。

 

正常では血中コルチゾール値が 1.8μg/dl に抑制される。

 

血中コルチゾール値が1.8μg/dl以上の場合はクッシング症候群

またはサブクリニカルクッシング症候群を疑う。

 

特に血中コルチゾール値が5μg/dl以上の場合はクッシング症候群と診断される可能性があるようです。

 

私の場合は、高血圧、むくみ、高血糖、脂質異常、筋力低下、体重増加などといったクッシング症候群に特徴的な症状もありましたので該当しそうです。

 

結果として今回の私の血中コルチゾール値は 9.5μg/dl でしたからクッシング症候群の可能性が高いものと思われます。

 

病院の混み具合もあると思いますが、検査は順序を追って少しづつ進められていきます。ゆっくりとした進み具合は気の小さい私にとってはありがたい展開です。

 

どうやら、今回の不調の原因は脳下垂体にありそうです。

 

確定診断に向けて次の検査は「下垂体MRI」の撮影となります。

 

 

 

帰路は「脳下垂体」という言葉に動揺してか、うっかりして降車駅を乗り過ごしたり落とし物をしてしまいました。

 

 

セブンイレブンで中華まんとサンドイッチを買って帰り、この日初めてのごはんです。病院から帰った後の食事ほどおいしいものはないと気づきました。温かい中華まんがおいしい時期です。

 

 

 

 

本のこと

 

書店に足を運ぶと「高血圧」「糖尿病」「高脂血症(脂質異常症)」といった疾患の分かりやすい一般書は多く目にすることが出来ます。

クッシング症候群も原発性アルドステロン症もそうですが、一般人には比較的まれな疾患であることからか、これに触れた家庭向けの健康書ではまず見かけることが出来ませんでした。

 

そこで、書店の看護師さん向けの書籍コーナーで

 

『病気がみえる vol3 糖尿病・代謝・内分泌』第5版 MEDIC MEDIA刊

 

という書籍を見つけ入手しました。本来は医療従事者向けの内容ですが、専門外の者にとっても比較的わかりやすく書かれており、豊富なイラストや写真が理解を助けてくれます。ネット上の記事や文献も有難いのですが、アナログ人間には紙媒体が欠かせません。

 

 

 

 

 

 

 

余計なひとこと

 

デキサメタゾン抑制試験に関する文献を読んでいる際に、

 

「血中コルチゾール値が抑制されない」と表現する文章を見かけました。

 

私の関係する領域でも、

「~することが少なくない」と表現する文章があります。

 

前者であれば「血中コルチゾール値が高いまま」とか、後者であれば「多い」と表現すればわかりやすいのにと思いました。特に後者は学生の頃から不思議に思っていました。

 

もちろん、前者の場合もきちんと、「高い」と解説する先生がいてさすがだと思いました。それぞれの専門分野で独特の文章表現があるかと思いますが、世間に広く理解を求めるためにもわかりやすい文章は必要なことだと思いました。