クリニック初診

  年齢をかさねてくると、身体の衰えを急速に感じる時が来ます。20代30代ではなんでもなかったことが40歳半ばを過ぎた頃になると疲労感が中々抜けなくなります。同級生との会話は身体の不調や疲労の話題が多くなりました。私は幸運にもこれまでに大きな怪我も病気も無く50歳を迎えることができたのですが、周りの友人たちや同世代の人たちの話題は、血圧・血糖値・コレステロール値についての会話が一気に増えてきたように思いました。

 これといった自覚症状もなかったのでこのあたりで少しグレードの高い人間ドックを受診して、体のメンテナンスをと考えていた矢先にコロナ感染症の流行となってしまいました。私自身も感染してしまいましたが、無事回復することが出来ました。ところが、なんとなく身体の不調を感じることが多くなり、同じように感染した人たちからも同様のことを耳にしました。

 

 体調不良はコロナ感染症の後遺症なのかと勝手に思っていたのですが、どうもおかしいと気づき始め医師の診断を仰ごうと思いつつも、コロナ拡大の状況では多くの近隣のクリニックでは感染症患者対応のため手一杯の状況であるとか、感染防止のため新規患者の受け入れ停止といったような様子でとても診察を受けられるような状況にはなく、暫く様子を見るしかないと思いそのまま過ごしました。

 

 これまで診察は既存の近隣の医療機関でという考えから少し離れ、新規開業のクリニックであれば診察してもらえるのではないかと思い始めました。ネット上でたまたま目にしたクリニックはまだこれから開業するという、告知がされたばかりのところで自宅からは少し遠くなるものの土地勘のある駅前クリニックだったので、もしかしたらという期待を抱いて開業を待つことにしました。

 

 開業したことをホームページで確認したものの、いざ受診となると忙しさにかまけて、中々足を運ぶことが出来ませんでした。記録的な酷暑となったことも影響して、ますます足が重くなり結局のところ実際に訪れたのは、ようやく涼しくなってきた秋を迎える頃でした。