虫歯になる糖 | 歯科衛生士

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歯の予防の大切さを広めていきたい


虫歯菌が酸をつくれる糖のは、ショ糖(
スクロース)果糖(フルクトース)
菌体外多糖をつくるのが

ブドウ糖(グルコース)
水飴(麦芽糖水飴)、オリゴ糖などが
あります。

この中でダントツに虫歯菌が
好むのは
ショ糖です。

ショ糖の中の虫歯菌はブドウ糖で
ネバネバ(不溶性グルカン)を作って歯
の表面にこびりつき、果糖から乳酸を作
って歯を溶かします。ブドウ糖や
果糖単体では活躍しにくい虫歯菌もこの
二つがくっついたショ糖が大好物なのです。


虫歯予防で有名なキシリトールはきいたことがありますよね?


糖アルコールの仲間「~トール」とか「還元~」

とつくもの
たちからは虫歯菌は乳酸が作れず歯垢
のpHが下がらないので、キシリトール
同様に虫歯になりにくい糖とされています。

また、合成甘味料は糖ではないので
虫歯になりません。
天然甘味料の中では例外とし
てステビアは糖類ではありませんので
虫歯にはなりません。


以下、一覧にそれぞれの特徴などまとめまてみました。

虫歯になる


ショ糖

別名:砂糖・スクロース・シュクロース
二糖類。
ショ糖はブドウ糖(グルコース)と果糖(フルクトース)に

分解され、ミュータンス菌はブドウ糖からグルカン

(歯垢のネバネバ)、果糖から乳酸を作り出し虫歯を形

成する。虫歯の原因のナンバー1。


異性化糖
ブドウ糖果糖液糖
果糖ブドウ糖液糖

異性化糖・・・デンプンから酵素分解させて

できたブドウ糖と果糖の混合液
果糖50%未満=ブドウ糖果糖液糖
果糖50~90%=果糖ブドウ糖液糖


果糖

別名:フルクトース
単糖類。
ハチミツ、木に成る果実、ベリー類、メロン、

ある種の根菜に多量に含まれている。
虫歯菌に分解され酸になり、歯のエナメル質

を溶解する原因となる。


酸の元にはならないので

単体では虫歯になりにくいが歯垢のもとにはなる

ブドウ糖

別名:グルコース
単糖類。
虫歯菌はブドウ糖からグルカン(歯垢のネバネバ)を

つくり歯垢を形成する。


麦芽糖
別名:マルトース(maltose)水飴(麦芽糖水飴)
ブドウ糖(グルコース)2分子が結合した二糖類。
でんぷんが口腔内で唾液に分解されると麦芽糖になる。



やや虫歯になりにくい

乳糖

別名:ラクトース(lactose)
ガラクトース(単糖類)とブドウ糖からなる二糖類。
牛乳、母乳などにふくまれる。
小腸の消化酵素ラクターゼによって分解されるが、

人によっては(特に大人になるほど)この酵素が少ないか

全くない場合があり、下痢などの症状を呈する。いわゆる

、牛乳を飲むとおなかがゆるくなる人はこのラクトースによる。
ラクトースでも虫歯菌は酸をつくるが、ショ糖ほど、pHを

下げないので虫歯になりにくいとされている。

虫歯になりにくい


虫歯になりにくい

オリゴ糖

単糖が10個未満結合したもの。やや定義があいまいで

二糖類(ショ糖・麦芽糖など)もオリゴ糖に含まれるが、

3個以上の単糖が結合しているものをオリゴ糖と

称することが多い。
胃や小腸で消化、吸収されにくい難消化性の性質を持ち、

腸内環境を整える効果で知られている食品に添加され

ている

異性化乳糖

別名:ラクチュロース・ミルクオリゴ糖
ラクチュロースは、胃や小腸では消化・吸収されずに

大腸に到達する難消化性オリゴ糖。大腸の腸内細菌

によって始めて利用され、一部有機酸となり吸収される。
そのため、低エネルギーで、エネルギーは通常の

糖質の半分。(2kcal/g)。

D - プシコース 希少糖

単糖類
カロリーはほぼゼロ。さらに、「食後の血糖値上昇

を緩やかにする」、「アンチエイジング」「寿命延長」と

いった様々な有効性が報告されている。


転化糖

ショ糖をブドウ糖と果糖に分解した混合液。(等量の

ショ糖より甘味度が高いため使用量を控えることができる


パラチノース

別名:イソマルツロース は、ショ糖に酵素を作用

させて結合のしかたを変えた二糖類
パラチノース (palatinose)は三井製糖の登録商標
微生物に醗酵されにくい性質を持っていいるので

抗う蝕性がある。
またゆっくりと分解されるため、血糖値が急激に

上がるということがなく、特に糖尿病患者用の食事

に砂糖の代わりに用いられる。ただしカロリーは砂

糖と同様、体内で完全に消化されるため4kcal/g


虫歯にならない


マルチトール(還元水飴・還元麦芽糖水飴)

別名:還元麦芽糖。
糖アルコール。
デンプンを分解して作られるマルトース(麦芽糖水飴)

を水素をつける(還元する)という化学合成を経て作ら

れる2糖アルコール。
甘み80%が、カロリー(2kcal/g)、熱に強く、対酸安定性



マルチトールを75%以上含むものを

還元麦芽糖水飴 (1.6~2.2kcal)、

マルチトールが75%未満及びソルビトールを50%

未満含むもの(その他3糖、4糖以上の糖アルコールを含む)

を還元水飴(2.3~3.4)kcal と呼ぶ。


還元パラチノース

別名:パラチニット(三井製糖の登録商標)
糖アルコール。
パラチノース(イソマルツロース)を還元(水素添加という方法)

することにより、糖アルコールの形になっている。
消化・吸収されにくく、エネルギーは、

砂糖の約半分。

イソマルツロース還元物を含む食品が

特定保健用食品に指定されている。


キシリトール

糖アルコール
キシリトールは体内糖類代謝の中間体で、

自然界でも広く存在し、特に野菜、果物、天然食用のキノコなどによく含まれる。口腔中の虫歯菌類に利用されず、虫歯を防ぐことができ、食品、製薬などの分野で広く応用される。
水に溶けるとき、熱量を吸収し、さわやかな冷涼感がある。



ソルビトール

別名:ソルビット またはグルシトール
糖アルコール
グルコースを還元し、アルデヒド基をヒドロキシ基

に変換して得られる糖アルコールの一種。

甘味60%があり、食品添加物などに用いられる。

ラクチトール

別名:還元乳糖
糖アルコール
ラクトース(乳糖)を原料につくられる。

糖アルコール。

焼き菓子、天ぷらなどのサクサク感がアップする。
甘味度はショ糖の34%。

エリスリトール

別名エリトリトール

糖アルコール

ブドウ糖を発酵してつくられる。

カロリーゼロ。

甘味75%

アスパルテーム

合成甘味料。砂糖の200倍の甘みがある。
アスパルテームはアミノ酸。
日本では、旧厚生省が天然に存在しない添加物に分類

されており味の素の製品である「パルスイート®」などに

含まれている。
一方健康への様々な影響が疑問視されており、

アスパルテームを使用した食品や添加物には

「L-フェニルアラニン化合物である旨又は

これを含む旨の表示」義務がある。


サッカリン
合成甘味料。砂糖の500倍の甘みがある。
サッカリンには弱い発癌性があると考えられ、

一度は使用禁止になったが、その後サルも

含めて様々な動物で試験が行われ、

他の動物では発癌性は示されなかったため

、現在では発癌性物質リストから削除されている。


アセスルファムK

アセスルファムカリウムは、人工甘味料の一つである。

「アセスルファムK」と記されることもある。

ショ糖の200倍の甘味がある。


スクラロース

ショ糖(スクロース)を塩素化した人工甘味料。

有機塩素化合物であり、スクロースの約600倍

の甘さがある食品添加物である。カロリーは無


ステビア

キク科ステビア属の多年草にふくまれる天然甘味料。

砂糖の300倍の甘みがある。