BLです彼らの名を借りた妄想願望の話です
ご理解のある方のみお読みください
「翔きゅん まらあぁ〜」
「んんっ ちょっと待ってぇ〜
チッ どうなってんだよっ この頭はあぁーくそっ」
40の後半戦に差し掛かった頃から翔くんの髪は
日毎に後退と減少を日課にし出し
毎朝 それを誤魔化すのに心血を注ぎまくっていた
「もおぉ〜 おでみたいに坊主にすれば良いのにぃ〜」
「やだよ‼️ そりゃあなたは何しても似合うから良いよなっ」
40を数年過ぎた頃から白髪に追いかけられ続けた俺は
何10年か振りに自分で鋏を握り
超短髪にしてやった
「どうせ帽子被んらろっ んなもんやっても無駄らっつうの」
「ああああああーーー うっせぇーなあぁー気が散るだろっ」
ったくぅ〜乙女かよぉ〜
・・・ま そこがまた可愛いぃ〜んだよどね
今度良いカツラ買ってやるとするか
後1か月後の11月3日は
俺らがデビューして30年の記念日だ
早 休止してから10年が経とうとしていた
その間にそれぞれのつま先の向きが変わり
休止では無く解散の切りをつける為
最後のケジメとしてライブをする事になった
「どお？これで」
「良いっ❕ すっごくかっちょ良いよ」
「智くんが言うとなんか嘘臭えんだよなあぁ」
「なんれらよっ むうぅー」
「ごめん ごめん 遅れちゃうとまずいから行こう」
「られのせいらよっ」
「はいはい 私のせいです」
漸く3年前に日本でも同性婚が認証され
同性同士でのカップルが大手を振って街中を闊歩するのに加え
芸能界でも同性同士の交際を次々と発表していった
早々と婚姻関係にピリオドを打っていた翔くんは
時が来たりとばかりに俺に猛烈アプローチをかけると
ほぼ無理矢理に婚姻届にサインをさせられた
勿論世間は相当驚くだろうと思っていたのは本人達のみで
世間からも関係者からも
「おめでとう 愛を貫いたね」なんて言葉で祝福され
『翔きゅんがいちゅもイヤらしい目で見てたたららろっ❕』
『イ・・イヤらしいって失礼なっ❕
そもそもあなたが翔くん翔くんって
いっつも甘えた声出してたからでしょっ❕』
『はああ⁉️おでがいちゅ甘えた声なんてらしたって言うのっ？』
『初めてのコンサートで13回 5年目のコンサートで25回
アニバーサリーのライブでは俺の後ろにピタッて付いてたでしょ』
『しょ・・しょんなろ覚えてねえち てか
そんなに記憶力に自信あんなら
とっとと政界に出れば良かったじゃん』
『うぐっ・・・』
そうやってお前のせいだ いや あなたのせいだと
なすりつけ合い擦り付けあった末
『俺ら絶対幸せになろうね』と泣きながら飲み明かした
「ほらっ ボォーっとしてんじゃ無いよ 行くよ」
そう言って俺の手を握る翔くんの左手薬指には
揃いのリングが青く光っている
「ちょっ また指輪外してるっ❕」
「らってキズゅちゅけたくないんらもん」
「あのねえ それは傷じゃ無くて記録なの 俺たち2人の記録
それは幸せな事なんだから受け入れなさい」
「じゃせめて同じ青色にするか それか 黒色にちてよ」
俺に贈られたリングは赤よりピンクに近い色に輝いている
「それ まだ言ってるの？
作る時一緒に決めたでしょ 俺は青で智くんは赤 って」
「らってぇ〜」
色見本では赤というより毒々しい黒に見えたんだもん
お互いの過去に関わった人達への懺悔と感謝には
その毒々しい色が俺に課された足枷の様で
気に入ったって言うより敢えてその色を選んだんだ
なのに・・・ピンクだなんて・・・
「はああ〜分かった分かった 新しいのに買い替えよう
今度はシンプルなシルバーのにね」
「じゃあおでのは刺々ちたのを付ける」
多くの人を傷付けた分俺も傷付かなきゃいけない
「・・・・ねえ・・俺らが幸せになる事が1番なんだよ
俺らが幸せになる事で皆んなを幸せに出来るんじゃないかな？」
「・・・やっぱり政界に出れば良かったじゃん
しょんなに上手く喋れるんらから」
「うぐっ・・い 良いから行くよ
1秒でも遅れたらキングに睨まれ続けるでしょ」
「おではらいじょうむらもん
睨まれんのは翔きゅんと相葉ちゃんれしょ」
「・・・です・・ああーまた地獄の時間が始まるぅぅーー」
30周年と解散のラストライブのお稽古が始まった