芳爺 | 暗がり関係者の本音

芳爺


マミちゃんからの電話で



頭が真っ白になった



ウチの店の開店当時から常連の



お客様が、昨日亡くなった



かなりの高齢だったし



いつか別れが来るのは解ってた



だけど



あまりにも急だった



突然すぎて、理解できない



何年も何年も長い間、可愛がってもらったし



言葉は荒くても



ハートの熱い人だった



体のあまり強くない、私の体調をいつも気遣ってくれて



いい年をして未だに独身でいる事も、いつも気にかけてくれていた



「ミチルが結婚しないと安心して死ねない」



会う度に、そう言って笑ってくれたのに



私、まだ結婚してないよ…



歌が好きで



お酒が好きで



野球が好きで



何よりも寂しがり屋で



思い出がありすぎる



さんざんお世話になったのに



葬儀は身内だけでするらしい



事情は色々とあるんだろうけど



あんなに寂しがり屋な人なのに



何で、皆で盛大に送ってあげられないんだろう



最後なのに顔も見れないなんて



あんまりだ



マミちゃんとも話したけど



どんなに長く、親しくお付き合いしても



やはり、夜の世界で生きている



私達の立場では、何をどーする事も出来ないんだろうか



お別れも言えないなんて



せめて、一番のお気に入りだったマミちゃんだけでも



会わせてあげたいのに



爺は



最期は寂しくなかったかなぁ



誰か傍に居たのかなぁ



この間、来店した時に



私が休みで会えなかったのが本当に悔やまれるよ…