年長さんの年度が開始して1ヶ月強、就学準備の始まりとして勉強会に参加しました。
講師は支援学校の先生を長く経験された県教育委員会の方でした。
※居住地により異なる情報もあると思います
教育現場における自立とは
- 自己選択・自己決定をしながら、主体的に生きること
- 自分らしさ・自分の持つ力を生かして、社会活動に参加すること
- 様々な人と繋がりながら生活すること
障害のある幼児児童生徒の自立や社会参加に向けた主体的な取り組みの支援は、特別支援学校だけでなく、障害により特別な支援を必要とする子どもたちが在籍する全ての学校において実施されるもの
どこに就学するかではなく、「自立」を考えていく
学校生活を通して身に付けたい力(例)
- 基礎的学力や行動規範
- 意図的に学ぶ必要のある、人と関わる心地よさと関わり方
- 生活をスムーズにするスキル(食事、排泄なども含む)
- 適切なSOSを上手に出すための援助依頼方法
- 他人との触れあいで育つ自己理解による、折り合いのつけ方
- TPOに応じた振る舞い
就学先①通常級在籍、通級指導を受ける
最近は支援学校のノウハウがユニバーサルデザインとして通常級にも取り入れられ始めており、環境の構造化によってトラブルが減少している
通級指導(1~8時間 / 週)
障害(言語障害、自閉症、情緒障害、ADHD、LD、弱視、難聴、肢体不自由、身体虚弱者など)による困難の改善・克服を目的とした「自立活動」の指導
- 県内で通級指導を受けている生徒数は年々増加しており、支援学校の生徒数より多い
- 指導形態は自校通級のほか他校通級、担当者巡回指導があり、教室の新規設置もありうる
- 補講のような教科学習の遅れを取り戻すための時間ではない
就学先②特別支援学級在籍、可能な授業は通常級(交流学級)で受ける
基本は小・中学校に準ずる教育を受けるが、認知特性に合わせた指導教材が充実していて子どもに合った学習方法を探りやすい
障害(知的障害、肢体不自由、身体虚弱、弱視、難聴、言語障害、自閉症、情緒障害)の状況に合わせた「特別の教育課程」の編成及び障害による困難の改善・克服を目的とした「自立活動」の指導
- 国による在籍の目安は全体の半分を支援学級で過ごすかどうか
- 1クラス7人(教員1人、加配対応はまちまち)
- 教科によって支援学級と交流学級を行き来し、異学年学習も可能
- 実態に応じて、交流学級とは異なる宿題に取り組む場合もある
- 下校後は放課後デイサービスを利用する子どもも多い
- 県内で一番多い選択肢であり生徒数は年々増加している
- 中でも、自閉症・情緒障害者が激増している
- 対象障害の区分にADHD、LDは含まれない
就学先③特別支援学校
幼稚部~高等部まで最大15学年が通う学校(盲学校やろう学校)もあり、多くがエスカレーター式に進学する
法令で決められた障害(視覚障害、聴覚障害、知的障害、肢体不自由、病弱)の状態により、各教科、道徳科、特別活動、自立活動といった教育課程を組み合わせた内容
- 1クラス6人(高等部は1クラス8人、重複障害の場合は1クラス3人、知的クラスは教員加配されることが多い)
- 学校間交流や居住地校交流も実施されている
【小学部】
生活リズムの確立と情緒的な安定を図るとともに身辺処理能力を高めよりよい生活習慣を身につける、日常生活の指導を中心にした段階的な教育課程
- 教科別学習(国語・算数・音楽・体育・図画工作)を中心に物や人との関わりを広げ、ルールを学んだり認識の力を伸ばす
- 「遊びの指導」「生活単元学習」といった科目をまたいだ学習・体験を通して意欲的に活動する力や豊かな感性を育む
【中学部】
思春期の心身の成長に伴う変化を考慮しながら、友達と助け合い主体的に取り組む教育課程
【高等部】
実態に応じた学習グループを編成し、目標をもってより主体的に取り組めるよう個々の生徒の特性に合わせた教育課程
就学先決定後の変更
支援学級から支援学校は学期区切りに変更可能
支援学校から支援学級も制度的にはできるが現実は簡単ではない
就学準備
行政は秋に本格始動するそうですが、支援が必要な子の場合は早め早めに動いた方が良いです
行政スケジュール
- 学齢簿作成(~10月末)
- 就学時健康診断(~11月末)
- 就学先決定(~12月末)
- 保護者へ通知(~1月末)
春から情報収集(個人的に3~5追加)
- 市町村教育委員会…一番関わることになるので密にやり取りすると良いらしい
ほんまに? - 特別支援教育コーディネーター…各支援学校に担当者さんがいるので気軽に相談や質問して良いらしい
ほんまに? - 相談支援員さん…地域の情報にお詳しいと思います
- 勉強会や情報交換会…療育センターで開催されている他、リハビリの保護者の会などがあれば参加できると心強いと思います
- ママ友やSNS発信者さん…どのような視点で就学先を決めたかという情報はとても参考になります
総合的判断
本人・保護者の意見を最大限尊重し、教育的ニーズと必要な支援について合意形成を行うこと原則とし、市町村教育委員会が最終的に就学先を決定する
- 障害の状態
- 教育上必要な支援の内容
- 地域における教育体制の整備状況
- 本人、保護者の意見
- 専門家の意見
- その他の事情
放課後デイサービス
利用する場合は就学先と合わせて検討する
新事業所がどんどん増えているので、長期休暇の過ごし方や送迎のイメージを固めておくと選びやすい