前回の続きです。
今更ながら、初期クオーツに足を踏み入れました。
6時位置の「クオーツマーク(白抜き)」が、その証です。
秒針の先端が太く、半分だけ黒に塗られています。
クオーツ時計の特色である、
「秒針のステップ運針を目立たせるためでは?」
と勝手に推測しています。
このモデルが掲載されている1974年のカタログによると、セイコークオーツは、
・V.F.A.
・QT
・QR
の3グレードです。QRは廉価版です。
とはいえ、このモデルの定価は48,000円。
当時のグランドセイコーの中堅グレードと同じくらい。
販売戦略的にも、力が入っていたことが分かります。
文字盤の美しさを意識して、あえてデイトをチョイスしました。
クオーツということで、これ。
裏蓋に電池用の蓋が付いています。
この不格好な見た目も、なかなか気に入っています。
ブレスはこんな感じです。
薄くてなめらか、非常に品があると思います。
腕時計の歴史を変えたクオーツ。
今ではありふれた技術ですが、分厚いケース、出っ張った電池の蓋、力強い秒針の動きに、当時の粗削りな部分が感じられます。
古いクオーツを味わっていきたいと思います。
No.13:セイコークオーツQR 3862-7010(セイコー)
製造時期:1973年9月
使用シチュエーション:会社出勤用