それは、一瞬の出来事。
本当に一瞬のうちに、
今まで温め続けてきた彼への想いが
すーっと冷めた。
寄せては返す、波のような穏やかさで。
ビックリした。
そして、また・・・と思った。
きっかけなんて些細なこと。
魔法がとけるのもいつものこと。
イロメガネがはずれてしまうと私はいつも、恋心を失くす。
どんなに好きだった人でも、
どんなに好きでいてくれた人でも。
人を好きになるってことは、
裏を返せば、
相手のすべてをどこまで受け入れることができるか、
なのかもしれない。
別個の人間なのだから、
好きなところもあれば嫌いなところもある。
友達は、「どれだけ許せるか」だと言った。
簡単にはずれてしまうイロメガネ。
それは、私の人間的な未熟さのせいか、
それとも心の欠陥なのかはわからない。
イロメガネをかければ見たくないものは見えなくて、
いつだってそのフィルターの向こうには、
求めてやまない彼がいた。
次に会うとき、
私の目に彼はどんなふうに映るのだろう。
また、好きだったあの姿が見えたらいいのに。
あのとき抱いた気持ちが嘘だったかのように――。