ファン・マヌエル・マルケスに心酔し、精神におけるメキシカンを自称する僕ですが、
史上最強のボクサーはライト級時代のロベルト・デュランだと固く信じている僕ですが、
歴史上で一番好きなボクサーは、アレクシス・アルゲリョです。
こんな風に始める記事を、そのうち書こう書こうと思っていた。本当に。
やや後傾、左ジャブを起点とした「テキストブック・スタイル」とも謳われた美しいボクシングスタイルと、クラーク・ゲーブル(ああ知らない人の方が多そうですが(>_<))みたいな男前。
マルケスより堅実で、、リカルド・ロペスより爆発力があり、デュランのようにしなやかではないけれど、それだけに、本能より意思によってそうしているであろうことが恐ろしいくらいの獰猛さ。
戦うために生まれてきた、とはこういうことだ、と思い知らされる、アーロン・プライアーとの2戦(2敗)。
引退後、薬物中毒を克服して首都の市長になった時は快哉を挙げたものだけど、報道によるとうつ症状で休職状態、また薬物使用もいまだ囁かれていたとのこと。
公式の報道はないけど、拳銃自殺らしい。
「いろいろ言いたいのは分かる。だが、あれをやるにはガッツが要るんだ」
猟銃自殺したヘミングウェイについて、誰かが言った言葉。
そんなガッツは断固拒否したいのだけど、「それ」を決意して踏み込んだ人に言える言葉は何もない。
もう一度王者になることにこだわり現役を続ける坂本博之に、拳友・リック吉村がワールドボクシングの自身のコラムで語った言葉。(記憶なので要旨です...って、こんなんばっかで申し訳なし)
憶えておいてほしいことがある。一度チャンピオンになったものは、その後の人生においてもずっとチャンピオンであり続けるということだ。
わかっていてほしかったなあ。わかっていてそれも重荷だったのかもしれないけど、それでもわかって背負って生きて欲しかったなあ。
だってヒーローだもん。
まだ、永遠のヒーローになるには早すぎるけど、さようなら、アルゲリョ。