秋暑し燃料デブリの強面
福島第一原子力発電所の燃料デブリ取り出し作業が、手順違いによる延期を経て9月10日ようやく始まった。
事故から実に13年経過してる。しかも対象デブリ880トンのうち今回はわずか3グラムだ。
とにかくとんでもない事故であったことが、今さらながら胸につきささる。
この大事な作業にあたり、手順ミスが生じ着手まで3週間も遅れた。
信じられない。
事故発生自体はもちろん、以降東電には考えられないようなミスが多発しており、組織体として大きな欠陥を有していると思わざるを得ない。
事故処理費用は、すでに事故後10年間で少なくとも13・3兆円に上るが、政府は総計では21.5兆円を見込む。(2021年時点:東京新聞)廃炉作業の遅れにより、今後さらに増えることは必須だ。
これらの天文学的費用は我々国民の負担になり、東電は倒産することもなく今に至っている。同じ国策会社だったJALは経営危機に際して、一度倒産して、同名の新会社で再生したことと大きく異なる。
会社は資本主義の原理を超えた、超法規的処置によって、生き延び、政財界ともに原子力の延命、再推進に動き、自民党総裁選においては、全候補が原発推進を掲げるに至った。
燃料デブリのことも、当たり前の光景として皆の意識から埋没してしまっているように思う。
おそらく半永久的に解決しないと思いながらも忘れ去る努力を続ける。