はじめに

近年、美容外科の分野で「ペリカン手術」という言葉をよく耳にするようになりました。
この手術は、あご下のたるみや二重あご(ペリカン顎)を改善するために行われるもので、正式には広頸筋縫縮手術、またはアゴ下筋肉縛りと呼ばれます。名前は、加齢や脂肪の蓄積で垂れ下がったあご下が「ペリカンののど袋」のように見えることに由来しています。
この手術は、脂肪吸引や糸リフトでは届きにくい深層の原因に直接アプローチできる点が特徴で、近年注目を集めています。以下で、仕組みから手術の流れ、効果、ダウンタイムまで詳しく解説します。ペリカン手術の対象となるのは主に以下のようなお悩みを持つ方に適応されます:

  • 二重あごやあご下のぽっちゃり感が気になる

  • 首の縦ジワ(プラティスマバンド)やたるみでフェイスラインがぼやけている

  • 加齢で広頸筋(首の薄い筋肉)が緩み、皮膚がたるんでいる

  • 脂肪吸引や骨切り手術後に皮膚の余り・たるみが残った

  • 糸リフトやHIFUでは効果が不十分だった

ただし、たるみの原因は個人差が大きいため、医師のカウンセリング(触診)で適応を判断します。軽度の脂肪だけなら脂肪吸引で十分な場合もありますが、筋肉の緩みや深部脂肪が関わる場合はペリカン手術が有効です

手術の仕組み:なぜ効果的なのかあご下のたるみの主な原因は3つあります

手術の仕組み

なぜ効果的なのか?
あご下のたるみの主な原因は3つあります

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  1. 皮下脂肪(広頸筋より浅い層)

  2. 広頸筋の緩み(加齢で筋肉が伸び、縦のスジやたるみを生む)

  3. 広頸筋下脂肪(深層脂肪)や唾液腺・顎二腹筋のボリューム

いわゆる『顎下脂肪吸引』は皮下脂肪のみを減らす治療です。(脂肪吸引で広頚筋下脂肪を吸引すると死亡事故につながりますので、皮下脂肪しか吸引しません)
また糸リフトは一時的です。一方、ペリカン手術は顎下に3〜4cmの傷を作り直視下でこれらすべてにアプローチします。

  • 皮下脂肪と広頚筋下脂肪を除去

  • 緩んだ広頸筋を中央で縫い縮め(コルセットのように締める)

  • 必要に応じて顎二腹筋を処理したり、舌骨の位置を調整

これにより、筋肉自体を永久的に引き締め、皮膚が自然に引き上がるため、長期的なシャープなフェイスラインが期待できます。

手術の流れ(手術時間1〜3時間)

  1. 麻酔:局所麻酔+静脈麻酔

  2. 切開:あご下の目立たない部分を3~4cm程度切開(正面からはほぼ見えない)。

  3. 脂肪除去:皮下脂肪を除去後、広頸筋を露出して深層脂肪を丁寧に取り除く。

  4. 筋肉処理:広頸筋を中央に引き寄せて縫合(縛り)。場合により顎二腹筋や唾液腺を調整。

  5. 縫合・固定:皮膚を縫い、フェイスバンドで固定。

  6. 終了:帰宅可能。

切開は小さく、形成外科的な丁寧な縫合で傷跡は目立ちにくくなります。

効果とメリット

  • 即時〜長期効果:手術直後から輪郭がスッキリ。筋肉縫合のため効果が後戻りしにくい(数年〜永久的)。

  • 脂肪吸引との違い:深部脂肪まで除去可能で、たるみ残りが少ない。

  • 若返り効果:横顔の顎下のラインがシャープになり、首の縦ジワも解消。全体的に-5〜10歳若返った印象になる人も。

  • 他の手術(骨切り後など)と組み合わせやすい。

【症例】20代女性 1年前骨切りを行ってから顎下の弛みが目立ち始めた方
骨切りをすると骨が小さくなった分、必ず弛みます。特に顎下は、広頚筋自体の弛みも出るので、脂肪吸引だけでは十分にスッキリしません。
この方は、顎下の脂肪吸引とペリカン手術を同日に行いました。

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術前→1ヶ月目の経過

顎下にピタッと吸い付くようなラインに仕上がりました。ちなみに、傷は横から見ても見えません。

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下から覗けば見えますが、ほぼ見られることはないでしょう

 

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正面から見ても傷は見えません

ダウンタイムとアフターケア

  • 腫れ・内出血:ピークは当日〜3日目。1〜2週間で目立たなくなり、1ヶ月でほぼ落ち着く。

  • フェイスバンド:3日間24時間、7日目まで長時間着用(むくみ防止)。

  • シャワー・メイク:翌日〜3日後から可能(傷口を避けて)。

  • 抜糸:7日前後。

  • 完全回復:1〜3ヶ月(最終的なラインは6ヶ月〜1年で安定)。

入浴・飲酒・激しい運動は1週間〜1ヶ月控えましょう。マスクでカバーしやすいダウンタイムです。

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術直後 エラ下の赤いのは脂肪吸引の傷です

 

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1週間目 腫れはありますが、内出血は少なめ

 

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1ヶ月後、まだ拘縮が残るものの形は綺麗です

リスクと注意点

手術のため、以下のようなリスクがあります(発生率は低いですが):

  • 腫れ・内出血・血腫

  • 知覚鈍麻やしびれ(一時的が多い)

  • 傷跡の盛り上がり・色素沈着

  • 左右差・効果のばらつき

  • 感染・皮膚壊死(稀)

事前の健康診断や禁煙、医師の指示遵守でリスクを最小限に抑えられます。抗凝血薬服用中や妊娠中などは避けましょう。。

手術費用

クリニックにより異なりますが、50〜80万円前後(麻酔別の場合あり)。保険適用外の自由診療です。
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まとめ

ペリカン手術は、「一時しのぎ」ではなく根本解決を目指す本格的な小顔・若返り手術です。脂肪吸引で物足りなかった方や、顎下の弛みを一回で完璧に治したい方、骨切り後の顎下の弛みが気になる方、首のたるみで悩む40代以上の方にオススメです。