【経営】コラム「社員を動かすスタンプカードの効用」 小山 昇氏/(株)武蔵野社長 [6/19]
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/column/aa/59/index.html株式会社武蔵野の社員は、揃いも揃って勉強嫌いです。
勉強が嫌いなだけではない、仕事も嫌い。
環境整備も嫌い。
楽をして高い給料をもらいたい、賞与はなおさら高く欲しい。
いつもそう思っている。
わたしは、社員がそう思うこと自体をとがめはしません。
「楽をして大金を」と思うのがまともな人間だからです。
わたしはいつも、仕事に手を抜く社員を見ては「ああ、よかった。
我が社の社員はまともだ」と胸をなで下ろしています。
人間としてまともであることと、組織の一員としてもまともであることはイコールではない。
勉強が嫌い、仕事が嫌いな社員を放置していては、遠からず会社は傾きます。
社長である以上は、「ではどうしたら、無理やりにでも勉強に、業務に向かわせられるか」を常に考えなくてはならない。
そこで、我が社が取り入れている仕組みが「100回帳」というスタンプカードです。
早朝勉強会や上司との面談、当コラムの第49回
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/column/aa/49/)でも紹介した創業者の墓参など、我が社には社員が嫌がる・面倒くさがる「義務」がたくさんあります。
社員がこの義務を一つ実行すると、各自の100回帳にハンコが一つ押される。
めでたく100回帳が一杯になったら、5万円の旅行券がプレゼントされます。
受け取った旅行券はそのまま奥さんに渡す、なんて殊勝なことを我が社の社員がするはずもなく、たいていは金券ショップで換金して飲み代などに充当する。
100回帳の締め切りは毎年4月15日です。
その日までに100回に達していなければ、来年まで待たなければなりません。
すると社員は4月15日が近づくと、勉強会だろうが面談だろうが、およそハンコが貰えるものには積極的に参加して締め切りに間に合わせます。
「それでは社員は、旅行券欲しさに参加しているだけではないか」と思われるが、たとえ目的は旅行券であっても、勉強会に出席すれば社員のスキルや知見は上がる。
それは会社にとっては大いに好ましいことです。
世間には、旅行券のような餌で釣らなくても社員が自発的に啓発に取り組む会社もあるでしょう。
それは、エリート揃いの組織だからこそできるのです。
中小企業にはそんな人材は初めから入社しません。
なにかの間違いで入社しても、すぐに自分と他の社員のレベルの差に気づいて辞めていきます。
中小企業には中小企業なりのやり方がある。
たとえ動機は不純でも、必ず実行させる仕組みがあることが素晴らしいのです。
100回帳が素晴らしいのは、「100回」と基準を決めていることです。
社員はハンコが50もたまると、ある種の目的意識が生まれる。
「こうなったら最後までやってやろう」と。
そして実際、面倒なことでも50回やると習慣になり、その後はさほどの苦もなくできるようになる。
100回帳を徐々に埋めていくことによる達成感、そして規定数まで達したら相応の褒美。
この二段構えの方策で、我が社の社員は面倒なことでも嫌がらずに行動する習慣を身につけています。
経営に限らず、およそ人を動かすときには人間心理を無視しては決してうまくいきません。
へ続く
勉強が嫌いなだけではない、仕事も嫌い。
環境整備も嫌い。
楽をして高い給料をもらいたい、賞与はなおさら高く欲しい。
いつもそう思っている。
わたしは、社員がそう思うこと自体をとがめはしません。
「楽をして大金を」と思うのがまともな人間だからです。
わたしはいつも、仕事に手を抜く社員を見ては「ああ、よかった。
我が社の社員はまともだ」と胸をなで下ろしています。
人間としてまともであることと、組織の一員としてもまともであることはイコールではない。
勉強が嫌い、仕事が嫌いな社員を放置していては、遠からず会社は傾きます。
社長である以上は、「ではどうしたら、無理やりにでも勉強に、業務に向かわせられるか」を常に考えなくてはならない。
そこで、我が社が取り入れている仕組みが「100回帳」というスタンプカードです。
早朝勉強会や上司との面談、当コラムの第49回
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/column/aa/49/)でも紹介した創業者の墓参など、我が社には社員が嫌がる・面倒くさがる「義務」がたくさんあります。
社員がこの義務を一つ実行すると、各自の100回帳にハンコが一つ押される。
めでたく100回帳が一杯になったら、5万円の旅行券がプレゼントされます。
受け取った旅行券はそのまま奥さんに渡す、なんて殊勝なことを我が社の社員がするはずもなく、たいていは金券ショップで換金して飲み代などに充当する。
100回帳の締め切りは毎年4月15日です。
その日までに100回に達していなければ、来年まで待たなければなりません。
すると社員は4月15日が近づくと、勉強会だろうが面談だろうが、およそハンコが貰えるものには積極的に参加して締め切りに間に合わせます。
「それでは社員は、旅行券欲しさに参加しているだけではないか」と思われるが、たとえ目的は旅行券であっても、勉強会に出席すれば社員のスキルや知見は上がる。
それは会社にとっては大いに好ましいことです。
世間には、旅行券のような餌で釣らなくても社員が自発的に啓発に取り組む会社もあるでしょう。
それは、エリート揃いの組織だからこそできるのです。
中小企業にはそんな人材は初めから入社しません。
なにかの間違いで入社しても、すぐに自分と他の社員のレベルの差に気づいて辞めていきます。
中小企業には中小企業なりのやり方がある。
たとえ動機は不純でも、必ず実行させる仕組みがあることが素晴らしいのです。
100回帳が素晴らしいのは、「100回」と基準を決めていることです。
社員はハンコが50もたまると、ある種の目的意識が生まれる。
「こうなったら最後までやってやろう」と。
そして実際、面倒なことでも50回やると習慣になり、その後はさほどの苦もなくできるようになる。
100回帳を徐々に埋めていくことによる達成感、そして規定数まで達したら相応の褒美。
この二段構えの方策で、我が社の社員は面倒なことでも嫌がらずに行動する習慣を身につけています。
経営に限らず、およそ人を動かすときには人間心理を無視しては決してうまくいきません。
へ続く