試験速報④
〜開始直前〜
この試験の特徴として、入室・着席から試験開始までの時間が中途半端に長い。科目毎に、試験官から解答に当たっての説明があるので、ある程度の時間的余裕を持った入室は致し方ない。しかし、当該説明が終わり、あとは「始め。」の合図だけとなるタイミングが、試験開始の5〜10分前なのである。つまり、上記の時間、ひたすら無言で開始の合図を待つことになる。
皆条件は同じだが、ただでさえ緊張している、人生がかかっている試験で、この空白の時間は耐え難い。
俺はひたすら、瞑想しながら、己の呼吸の数を数えていた。