地域で利用者さんを支える支援は色々あります。私が働く訪問看護もその一つです。

 支援が難しい利用者さんかいると支援の方向性を合わせる目的や情報共有目的でよく支援者が集まって話し合いをします。カンファレンスです。

 訪問看護ステーションが発信してカンファレンスを開催することもありますが、呼ばれることもあります。ウチから発信する場合は必ず利用者さんがカンファレンスに参加するようにしています。それを当たり前にしています。

 しかし、カンファレンスに利用者さんが不在の場合も多々あります。支援者に利用者さん不在の理由を聞くと、「単なる情報共有だから。」とか「利用者さんの調子が悪くなるから。」とか、もっともらしい理由を聞きます。

 カンファレンスは誰のためのものでしょう?支援者の支援がやりやすくするためのものではないはずです。利用者さんが少しでも良くなるためのものでなければいけません。
 その場に利用者さん不在って?

 地域で利用者さんはどんな生活がしたいのか?夢は何か?希望はあるのか?先ずはそこをしっかりと確認しなくては支援の方向性なんて決められません。

 支援者が想う良い支援と利用者さんの希望する生活は必ずしも一致しないことが多いです。

 利用者さん不在でカンファレンスを開催して、支援者が時間をかけて話し合いをして、例えば訪問介護の支援を導入しようと支援の方向性を見出して、後日利用者さんにその方向性を伝えると、利用者さんが一言「ヘルパーなんか要らん。」
 この一言で、支援者が話し合っていた結論は無駄になってしまいます。

 数名の支援者が数時間を使うのはどれだけのコストがかかるのでしょう。同じコストをかけるのであれば、利用者さんの求める支援が提供できる話し合いにしたいと思います。

 利用者さんが参加して上手く話しが進まなかったカンファレンスであっても、利用者さんには良い刺激になり、多少なりとも変化を感じることが多いのは実感としてあります。支援者に予期不安が起こるのも理解できますが、支援の場に利用者さんをどんどん入れていきましょう。