水上悟志『惑星のさみだれ』8巻まで読了。
かなり面白かった。
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昔アワーズ読んでた頃に最初の数話だけ見たときには
ヒロイン?さみだれが魅力的に書けてるなー、とは思ったものの
ここまで面白くなるとは思ってなかったな。すげーいい。
これ作者の持ち味なのか
基本的に熱くなったとしても基調となってるゆるい日常空間へ上手く帰ってくるので
微妙な(文字通り微かな妙)、妙味があるとでも言うのか。低沸点の面白さ、って上手い表現だよな。
主人公は平凡な大学生、ある朝突然地球を守る使命を自分だけに見えるトカゲに告げられ
戸惑うでもなく、淡々と流して無視をする。徹頭徹尾自分を放棄している。
幼少のころからの祖父の繰り返して行われた精神的虐待によって世界に自分を投影する(自己実現)芽を失っているからの無気力。
それを打ち砕いたのがヒロインさみだれ。
地球を愛するが故に危機を防ぐ、世界を愛するが故に自分が壊す。
さみだれの大望に引かれ無私の忠誠を誓う主人公は敵と戦い、最終的には敵と戦う自陣営の味方の排除を見据えて日々の研さんを積んでいく。
と同時に生死をかけた戦い、その死をもって「生き方」を提示してくれた先人、同格の立場に身を置く同志となる仲間達との交流から生の鮮やかさを取り戻していく。
今作の落着点は概ね見えている。生きる意志に目覚め(るであろう)主人公が、如何に地球と無理心中をかまそうとするヒロインを翻意させるか、が焦点になるのだろう。
武士道、これと決めた事象に対して一遍の曇りなく殉じる気概にあこがれ、またそれを実際には融通の利かない木偶だよな、と判断してしまう自分には、いつも「唯一つ」と決めて動く物語に憧れを感じている。
この物語の結末は月刊連載でもあるしまだ遠い。先が非常に気になる。